あらすじ
親友である白(シロ)の命を救うため自らの心臓を彼女に移植した黒(クロ)。代わりに黒は生きるために充電しなければならない“機械の心臓”をつけることになった。手術から数年、新しい心臓との付き合い方に苦心する二人は、主治医から“ある装置”を渡され…? <ハートのおくりもの>表題作「ハートのおくりもの」のほか二つの掌編に加え、同人誌でのみ発表された幻の番外編「ハートのおくりもの デートの前日」も収録!瑞々しくも切れ味鋭い描写で人を惹きつける、異彩を放つ著者が紡ぐ待望の初作品集!!電子版限定特典として描き下ろしイラスト1枚付き!
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matchさんが同人誌やComic E×E、Dモーニングなどで発表した作品をまとめた短編集が遂に! 発売されました!! 初出が何年前か数えて遠くを見る作業は置いておきまして……。 『ゆる大罪』の作者としても有名なmatchさんですが、何と商業単行本はこれが初めてということで。しかし、タイトルに「1」と付いていることから、これから続々と出していただけることを期待してしまいますね。 表紙にもなっている「ハートのおくりもの」シリーズでは、少し特異なシチュエーションとして「互いに心拍数を把握できる百合」が展開されます。お互いがいつどんな時にドキドキしているのかが可視化される百合、天才的ですね。思わず好きなカップリングでそのシチュエーションを想像してしまいます。 しかし、その後に同じ世界観で主要人物を変えて描く「ふたつのラセン」は特に、甘々な百合だけでは終わりません。 matchさんの良さは絵の上手さ以上に、ここぞという決めゴマの演出力や、激情に駆られた時の表情です。思わずゾクゾクしてしまうような瞬間が訪れます。そこがもう堪らないわけですよ、ええ。 百合に限らず物語展開だけでも楽しめる独自の味があり、Dモーニング掲載の「不死身人間の就活〜ふっかつ!」はそれを堪能できる一般作品。 光だけでも、闇だけでも! と、キラ・ヤマトのように叫びたくなる方にお薦めの1冊です。