あらすじ◆信州、思春期、柔道部。3両の私鉄しか通っていない田舎の、とある中学校。柔道に打ち込む純情素朴な少年少女にも、目覚めの季節がやってきた。肌の触れあいや交わされる視線の意味が、少しずつ変わっていく。汗くさくって不器用で、でも愛おしい思春期の物語。◆新鋭・熊鹿るりが、心と体の変化に戸惑う少年少女の気持ちを描く、みずみずしい群像劇。◆第31回太田エロティック・マンガ賞奨励賞受賞
生々しくて甘酸っぱくて、こんな日々のことをずるい大人たちは青春とか初恋とか言いたくなるんだよなあ、とたまらない気持ちになりました。 柔道部の少年少女たちの恋物語ではなく、あの子の匂い嗅ぎたいとかおっぱい触りたいとか、あいつをどうにかしてやりたいとか、馬鹿みたいで幼くて暴れ出しそうな劣情が爽やかに描かれています。 その渦中にいる少年少女たちにとってはちっともキラキラしていなくてドロドロした日々なんだろうけど、青春でしかないんですよね。性欲と恋心の区別もつかず、悩んだり暴走したりかっこつけてみたり。眩しいです。 タイトルにもなっているバタフライですが、汗の匂いの表現として登場するのが素晴らしいです。いつでも妄想にトリップできちゃう思春期のあの感じが伝わってきます。