あらすじ哲学は人を常識から解き放ち、自由にしてくれる! 「哲学者、愛すべき奇人変人たち!」と、哲学者・西研氏も絶賛!! 巻末には西氏の解説を収録。新渡戸稲造の「武士道」フロイトの「精神分析」バタイユの「死」ソクラテスの「無知の知」ベルクソンの「時間」デカルトの「我思う、故に我在り」プラトンの「洞窟の比喩」ドーキンスの「利己的遺伝子とミーム」貝原益軒の「養生訓」ショーペンハウエルの「読書について」など全25篇。
哲学などでなされる思考実験をマンガにしたような短編集。概念を分かりやすく解説している回もあれば、不条理なショートショートのような回もある。こういう作品もっと読みたい。 連載されていたのは15年ほど前で、こんなのがモーニングに載っていたというのが驚きだが、度肝を抜かれた「現象学の理念」とも繋がっている。 扱われているテーマはかなり当時の思想状況を反映していて(というか自分が若かったから興味を持っていた)、2021年現在も全く古びていないどころか、今こそ本気で考えるべき問題も沢山ある。モデル14, 15の『ボーヴォーワールの「性」』(男女カップルがコールドスリープから目覚めたら国が分かれていて「男中心の国」「女中心の国」「男だけの国」「女だけの国」「男女平等の国」のどこに所属するかを決める)、モデル37の『哲学における「女」』(婚活を通して哲学者の女性に対する偏見を明らかにしていく)などは作者が表層的なリベラリズムやフェミニズムに厳しい理由が分かった気がした。