月光を浴びて蒼く染め上げられた早春の雪原。そこはまるで海の底のように静かだった。この幻想的な舞台で出会ったのは、一人の少女と一頭の白い狼。この美しい獣は絶滅したはずのニホンオオカミなのか、それとも……。自然を愛する少女・尾関亜湖は狼の蒼い瞳に魅せられたまま、新学期を迎えた。高校で彼女を待ち受けていたのは、アイヌの血を継ぐ少年・北神飛竜との出会い。神秘的な美貌をそなえた少年は、亜湖に危険が近づいていることを告げる。この聖蘭学園でやがて二種族の激突が起き、その結果で人間界の支配者が決まるだろう、と。飛竜は北神一族の末裔として、学園に潜んだ魔族を倒すために来た戦士だったのだ。驚いた亜湖は人望の厚い天羽吹雪に相談をもちかけるが、吹雪にはもう一つの顔が……。正邪それぞれの代行者がぶつかり合い、氷雪があれくるう。飛竜は亜湖を守り抜くことができるのか? 学園サイキック・アクション、第1巻(全2巻)!
春を待つ北海道の大地で、月明かりの下に一頭の白い狼が姿を現した。その吸い込まれるような蒼い眼を見つめたときから、尾関亜湖の数奇な運命が動き始めた。通いはじめたばかりの聖蘭学園に、この世の覇権を狙う妖魔の影が……。彼らは闇の女王・修羅を指導者と仰ぐ邪悪なものども…魔族! 対するは神の力を受け継ぎ人間界を守護してきた北神一族。そのリーダー・北神清竜は亜湖の父親だった。戦いの力を持つ少年・飛竜は死闘の末に魔族の尖兵を討ち果たすが、次に敵が仕掛けてきたのは北神族の本拠地を直接叩く奇襲攻撃。幾多の命を飲み込んで、戦いはついに最終局面へ……。東京で政財界の要人や亜湖の家族を襲う忌まわしき妖怪。窮地を打破すべく清竜は秘匿していた力を解き放とうとするが、それは自らの消滅を意味していた。心の支えを失った亜湖と飛竜は、修羅の軍勢に引導を渡せるのか!? 超自然の激闘、勝敗が決するシリーズ最終巻(全2巻)!