あらすじ

ユリ子は、自分に寄生している虫の胚に、母親のような愛情を抱き始めていた。いじめられっ子の鴨川にも、虫の胚が寄生し、彼は優等生に変貌する。やがて巨大な虫の女王が、発生した結城沼から下水道を伝って、学校の地下に巣を作っていった。その目的は、人間牧場の形成。人間を餌として、羽化する仲間を増やしていくつもりなのだ。反対し、女王に襲われるユリ子。だがユリ子に寄生した胚は、仲間や女王をも苦しめる“声”を発して、彼女を救った。仲間の目的や、本能にまで反抗できる胚…。ユリ子は本物の(怪物)を宿しているのかも知れない!
エンブリヲ 1巻

虫好きで快活な女子高生、布良ユリ子は、ある日森の中でイモ虫のような昆虫に首筋を刺された。生物部の羊歯野に相談するが、虫の正体は不明。しかしその日から、その虫の仲間がユリ子を守り始める。図書館司書の男に犯されそうになったとき、大量に虫が出現して、司書を殺害してしまったのだ。その虫は、発声器官を持ち、どうやら人間の言葉を理解するらしかった。水質汚染による突然変異か? 新たなる進化の産物なのか?他にも生存限界まで巨大化して死んだ幼虫が見つかる。幼虫のまま成熟するしかなかった虫は、ユリ子の身体に卵を産み付けて構造変化を果たし、成虫になろうとしているのだ。

エンブリヲ 2巻

ユリ子は、自分に寄生している虫の胚に、母親のような愛情を抱き始めていた。いじめられっ子の鴨川にも、虫の胚が寄生し、彼は優等生に変貌する。やがて巨大な虫の女王が、発生した結城沼から下水道を伝って、学校の地下に巣を作っていった。その目的は、人間牧場の形成。人間を餌として、羽化する仲間を増やしていくつもりなのだ。反対し、女王に襲われるユリ子。だがユリ子に寄生した胚は、仲間や女王をも苦しめる“声”を発して、彼女を救った。仲間の目的や、本能にまで反抗できる胚…。ユリ子は本物の(怪物)を宿しているのかも知れない!

エンブリヲ 3巻

人間を餌にすることは自殺行為だと、虫の女王を説得に向かうユリ子。人間の憎しみを買ったら、全滅させられてしまうだろう。餌として連れ去られた生徒達を探す警官に、女王が殺され、一斉に人間を襲い始める虫たち。その時ユリ子が、変態を終えた胚を出産! 虫たちも動きを停める。虫たちの希望である羽化を成功させたユリ子の胚は、立派な成虫となって大空へと飛び立つのだった。その後不思議なことに、結城沼の水質が改善されていることがわかる。汚染された水を浄化復元する生物とは? ユリ子には、沼に生息する自分の産んだ成虫の姿が、はっきり見えていた。