あらすじ

敵対する遠賀組・薩州連合との戦争のため、神組系組員とともに博多に乗り込む天は、その前夜、今生の別れとばかりに夏と激しく愛し合った。ドスを懐に呑んで敵地に飛んだ、天と錦三一党。一食触発の睨み合いが続く中、錦三の前に宿敵だった“人斬り半次”が現れる。彼は天の憧れのヤクザでもあった。二人は天を残して町を出るが、錦三の危機を感じた天は後を追って、朽ちかけた橋の上で半次に斬りかかる…。
ダボシャツの天 1巻

日本一の極道を目指す松田天・17歳。憧れの兄貴分・上方会組員の百足の錦三に取り入ろうと、家出娘の夏を差し出すが、錦三の姐さんに見つかり失敗。やむなく夏とポン引きを始めたが、今度は上方会と敵対関係にある大市組の若衆に見つかってボコボコにされてしまった。やっと天が上方会組員になると、錦三が病的な女狂いが原因で大市組の配下に切られてしまう。上方会と大市組は全面戦争に突入した。初の出入りで、錦三とともに大市組組長の妾宅に殴りこんだ天は、自分のドジで大市の命を取り損ねるが…。

ダボシャツの天 2巻

錦三と代貸の笹本とともに、関西勢力の一派『八日会』出席のために姫路に向かった天。そこで九州を押さえる遠賀組・薩州連合との全面戦争が決まった。ところがその席で、一派の雄・神組の代貸石山が撃たれてしまう。戦闘意欲満々の天、錦三、笹本の三人は、その足で元憲兵隊隊長で百人切りの達人・赤穂のお叔父の屋敷に宿をとった。何とその夜、そのお叔父貴に天は貞操を奪われそうになる。何とか逃げ延びた天だったが…。

ダボシャツの天 3巻

敵対する遠賀組・薩州連合との戦争のため、神組系組員とともに博多に乗り込む天は、その前夜、今生の別れとばかりに夏と激しく愛し合った。ドスを懐に呑んで敵地に飛んだ、天と錦三一党。一食触発の睨み合いが続く中、錦三の前に宿敵だった“人斬り半次”が現れる。彼は天の憧れのヤクザでもあった。二人は天を残して町を出るが、錦三の危機を感じた天は後を追って、朽ちかけた橋の上で半次に斬りかかる…。

ダボシャツの天 4巻

錦三を狙ったチンピラの一発の銃弾が、戦いを全面戦争へと駆り立てる中、天は幼馴染のキヨシと敵同士として再会する。同じ頃錦三は、宿敵・蜂の巣の忠と対峙していた。どしゃ降りの雨の中、天は互いの出世を誓い合ってキヨシと別れ、錦三は死闘と落雷で重傷を負った忠を見棄てられず、背負って去る。その後、両派の上層部の話し合いでけりが着き、九州戦争は幕を閉じた。

ダボシャツの天 5巻

戦争が終結し、喜び勇んで夏の元に戻った天。ところがそこへ、夏の従姉妹の秋がやって来る。おしゃまで、ことごとく二人の仲を邪魔するじゃりん子の秋に閉口する天だが、実は秋は幼い恋心で天を意識していたのだ。邪険にされ、天の心が全く自分には無いと悟った秋は、荷物をまとめ、独り故郷へ帰っていく…。

ダボシャツの天 6巻

平穏な生活に戻った天だが、女が自殺しようとしていると勘違して痴漢行為を犯し、挙句に咎めた警官をおちょくり倒したために、ブタ箱にぶち込まれてしまった。錦三や笹本のお蔭で留置場を脱出した天は、一人の奇妙な男と知り合う。それは錦三と旧知の壷降り師・平手のミッキーと言った。不吉な響きを持つ太鼓を手に、放浪していた平手。その神技と呼ばれた壷振り技術を失った経緯を、天たちに語る…。

ダボシャツの天 7巻

平手の数奇な運命に感銘した天は、錦三とともに平手の世話を引き受けるが、平手は突然自殺する。ショックの覚めやらぬ天と錦三に、笹本から密命が下った。コンニャクの研究のために上京せよというのである。実業家に成り上がるチャンスだと勇躍上京した二人は、一人の老婆と知り合うが…。

ダボシャツの天 8巻

山師・河童の源が持ち込んだ儲け話に、笹本が乗ってのコンニャク事業だった。天と錦三は奇妙な老婆とともに、こんにゃくを求めて群馬県・積丹村へとたどり着く。だがその村こそは、紅ヤモリの錦三をはじめ、奇人変人の巣窟だった。天も分校の美人教師と知り合うが、相手は魔性…?

ダボシャツの天 9巻

最終巻。魔性の女に精を吸い取られ続ける天と錦三。危うい所で我に返った天は、縛り付けた錦三を滝の水に晒して正気を取り戻させ、何とか大坂に戻った。インポになってしまった錦三を、怪しげな祈祷で治療したのもつかの間、夏が働いている喫茶店のマスターが夏を妊娠させたと言う情報が…。怒り狂う天だが、実は天の子供を妊娠した夏が、マスターに付き添ってもらって中絶手術を受けたことがわかる。まだまだ見習い極道の天であった。