主婦の有村美代子(ありむら・みよこ)は警察からの突然の電話に驚愕した。名門中学に通う優等生の娘・沙也加(さやか)のボーイフレンドが大麻所持の容疑で逮捕され、一緒にいて大麻を使用したと思われる沙也加の処遇について話したいというのだ。信じられない衝撃のあまり呆然とする美代子だったが、その胸中には意外な思いが浮かび渦巻いていた…娘をここまで追いつめ、罪に走らせた要因は、自分の母親としての至らなさ、そしてそうせざるを得なかった、自分が嫁いだこの歪んだ婚家にこそあったのではないかと――…? 母子の絆を描き、大きな問題をはらんだエリート家族の実態に迫る、社会派ヒューマン・ストーリーの決定版!(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-1~特集/家庭の大問題」の内容と重複しています。ご注意ください)
怠惰でだらしない家庭環境に育ち、あれほど夢見た結婚にも失敗したシングルマザーの西崎薫(にしざき・かおる/33歳)の座右の銘は「人生、ひとかけらの甘えも許されない!」…かように何にも頼らず何も信じず、ひたすら厳格な母子家庭生活を送っていたのだが、何の因果かこの世の『甘いモノ』を描いて人気の男性スイーツライターと仕事をすることになり、最初は反発していたものの、彼のやさしい人間性にふれるうちに意固地な心が次第にほぐれていく。しかしそれは薫だけに起こった変化ではなく、娘の真由(まゆ)の気持ちにも、彼に対して甘い感情が湧き上がっていたのだった――…。ま、まさか、母と娘で一人の男を奪い合うことに…!?(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-1~特集/家庭の大問題」の内容と重複しています。ご注意ください)
年頃の女性である神林梨花(かんばやし・りか)は、そのボーイッシュな見た目といい、ぶっきらぼうなしゃべり口調といい、まんま男で、なる早で結婚させたいと思っている母親としては悩みの種だった。だが、そんな梨花とお見合いした男性・水谷(みずたに)は意外にもがぜん彼女のことを気に入ってしまい、あの手この手で気を引こうとする。しかし実は、梨花は単に男っぽい女性なのではなく、女の体に男の心を持ってしまった『性同一性障害』だったのだ。水谷やその妹・香(かおり)の助けを得つつ、梨花は己の性と人生に向き合っていくのだった……。(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-1~特集/家庭の大問題」の内容と重複しています。ご注意ください)
人気ジュニア小説家として人気急上昇中の葛城都羽(かつらぎ・とわ/36歳)は独身という触れ込みで、アシスタント兼マネージャーの山本縁(やまもと・ゆかり/30歳)と二人三脚で、多忙な原稿執筆の日々に追われていた。しかし実は、都羽には過去に結婚歴があり、夫との間に一人娘の飛鳥(あすか)をもうけながら、作家になる夢捨てきれず…姑との折り合いが悪かったこともあり、離婚してすべてをなげうち婚家を出奔してしまったという、誰にも言えない秘密があったのだ。それ以来、自らが棄てた愛娘・飛鳥のことを想わない日は一日たりとなかったが、その想いを振り払うかのように作家修業に邁進し、現在の地位を獲得するに至っていた。だがそんなある日、思いもしない衝撃が都羽を襲う。かねてから気になっていた脇腹の激痛を病院で診てもらったところ、なんと末期の膵臓がんであることが判明したのだ。医師の見立ては余命1年……迫りくる命のタイムリミットの中、都羽と飛鳥の母娘再会への運命の歯車が少しずつ回り出そうとしていた――…。(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-2~特集/母と娘、愛憎の絆」の内容と重複しています。ご注意ください)
父亡きあと、遺された母と妹・英美(ひでみ)との三人で暮らしていた敦美(あつみ)だったが、その後自分は結婚、そして英美も大学の関係でと次々と実家を出て、母は独居生活となった。たとえ一人になっても、元気で気丈な母のことを何も心配していなかった敦美だったが、ある日突然、衝撃の知らせが…なんと実家に泥棒が入ったというのだ。幸い、さしたる被害はなかったものの、事件当夜ぐらいは母のそばにいてあげようと実家に泊まる敦美。ところがその数日後、またもや実家に空き巣が入り、さらにその後ほどなくして、またまた三度目の空き巣被害が…! さすがにこれはおかしいと訝しんだ敦美が母を病院に連れていくと、医師の診断は『空の巣症候群』という、うつ病の一種だというのだが……?(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-2~特集/母と娘、愛憎の絆」の内容と重複しています。ご注意ください)
結婚して、父母の住む実家を出て暮らす主婦・原田ゆう子の元に、ある日衝撃の悲報がもたらされる。なんと父が家に火を放ち、母を殺したというのだ。ゆう子には信じられなかった。元々亭主関白な父だったが、母が一人では歩けない体になってからは、まるで人が変わったように母を大事にし、介護に家事にと甲斐甲斐しく一人でがんばっていたというのに…その父がまさか…!? 父の弁護士に話を聞くと、介護疲れした挙句、父が母に夫婦心中を提案すると、それを母は受け入れたものの、いざ火を放って家が燃え上がると、直前で命が惜しくなった父が、母を独り炎の中に置き去りにして逃げ出したのだという。「そんなの絶対に許せない!」無惨に裏切られた亡き母の復讐を果たすべく、憎き父を訴えて慰謝料を請求しようとするゆう子だったが、実はこの悲劇の裏には意外すぎる真相が秘められていて――…?(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-2~特集/母と娘、愛憎の絆」の内容と重複しています。ご注意ください)
フリーのルポライターの夫を持つ逸美(いつみ)は、それゆえに不安定な家計を支えるべく、家事にパート勤めに一人娘の沙紀(さき)の子育てにと、日々がんばる主婦だったが、あるとき、離れて一人暮らす母が末期の胃がんで余命数ヶ月の状態であることを知らされる。心配して身の回りの世話を焼こうとする逸美…しかし、何しろ相手はガンコな昭和のシングルマザー。夫の死後、和裁の仕事で女手ひとつで娘を育て上げてきたという自負とプライドがあり、逸美の助けを頼るどころか、反対に逸美の弱い部分、至らないところをあげつらっては、きつく非難してくる始末。『こっちは母さんのことを思って心配してあげてるのに…もう知らないわっ!』と、母の理不尽とも思える態度に愛想を尽かし見限ろうとする逸美だったが、実はそこには母から自分への、深すぎるゆえに不器用で伝わりづらい愛の真意が秘められていたのだった…。(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-3~特集/家族の一大事!!」の内容と重複しています。ご注意ください)
夫の良樹(よしき)と娘の真奈(まな)と三人、幸せな家族生活を送っていた主婦・絵美(えみ)をある日突然、衝撃的すぎる事態が襲った。なんとその14年間夫婦として連れ添ってきた夫・良樹が性同一性障害であることを知らされたのだ。つまり身体は男性でも、心は女性だということ……診断を下した医師によると、自分の肉体の性に違和感を感じるこの性同一性障害は“治す”ものでは決してなく、この先根本的な心の安定を得るためには女性ホルモンの投与に始まり、場合によっては性別適合手術を受けて身体も女性に造り変えるしかないのだという。その事実をどうしても受け入れられない絵美は「さわらないでっ、けがらわしい!」といって激しく良樹を拒絶、良樹は“転勤”という名目で一人家を出ていくことになるのだが、そんなとき、娘の真奈に恐るべき魔手が襲いかかって――…!?(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-3~特集/家族の一大事!!」の内容と重複しています。ご注意ください)
主婦の野村芳恵(のむら・よしえ)は、小学生の娘の智花(ちか)の扱いに手を焼いていた。どうやら級友からいじめに遭っているようで、学校に行きたくないと言って、現在不登校状態にあるのだ。そして代わりに、学区外の自然豊かな山あいにある『ひばり小学校』へ行きたいと言う。そこは総生徒数17人というごくごく小規模な学校だったが、それゆえに生徒間は和気あいあい、地域との関係性も親密でお祭りなどの行事ごとも多く、現在通っている都会の殺伐とした学校とはちがい、ほのぼのとした楽しさに溢れているのだという。当初は芳恵も、わが子が笑顔で通える学校が一番だと思い、引っ越しをしてまでの転校を考えるのだが、実際は智花が言ういじめの実態や、ひばり小学校の内実といったものが、聞いたものとは違うことがわかってきて、心の中に大きな迷いと葛藤が生じてくる。はたして、芳恵の選択は――…?(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-3~特集/家族の一大事!!」の内容と重複しています。ご注意ください)
私・青木祥子(あおき・しょうこ)と、彼女・藍原貴子(あいはら・たかこ)は幼い頃から、お互いに裕福な家の娘同士なかよしだった。ところが、私の父の会社が倒産したことによって、二人の人生は大きくかけ離れていった。父は心労で他界、私と母は屋敷を手放して小さなアパート住まいの生活となり、働く母を支えるために私はアルバイトに精を出した。当然のように、いつしか私と貴子の関係は疎遠になっていき、お互いに21歳になった現在、貴子は順調に有名私立に通うお嬢様女子大生となり、私は好きなピアノを活かすべく昼は子供向けピアノ教室の先生、夜はパブのラウンジ奏者として働いている。相変わらず裕福な環境の貴子に比べて、私のほうは仕事は楽しいけれど生活はやはりギリギリで…でもひとつだけ、私には貴子に負けないものがあった。それはかつて亡き父の部下だった人の息子・武藤道春(むとう・みちはる/24歳)の存在。彼と私は固い愛の絆で結ばれ、彼が司法試験に合格した暁には結婚する約束を交わしていた。「ほら貴子、この世には“愛”という、決して金で買えないものもあるのよ」…ところが、まさかその愛までも彼女が奪っていこうとするとは……!?――悲しみと憎悪の果てに貴子の命を奪わんとする祥子だったが――…?(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-3~特集/家族の一大事!!」の内容と重複しています。ご注意ください)
後藤香織(ごとう・かおり/25歳)は、小さな通販会社に勤めるOLとして、日々本業の総務仕事に、加えて煩雑なカタログチェックにと、過酷な業務に忙殺されていたが、それら以上に苦手なのが、お局OLの田中玲子(たなか・れいこ/30歳)の存在だった。香織ら若い社員たちの仕事ぶりを事細かにチェックし、ミスをあげつらい、厳しく叱責し…ウワサでは恋人もおらず仕事一辺倒の殺伐とした身の上らしく、皆から「ああはなりたくないよねえ」と揶揄されるほど……ところが、そんな田中玲子が突然退社するというから一同ビックリ! しかもなんと、自分の今の仕事のポジションを香織に引き継いでほしいというのだ。「ええっ、私にお局を襲名しろってか!?」仕方なく、言われたとおりにする香織だったが、すると、これまで見えていなかった職場の実態が明らかになってくるのだった…。(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.7-3~特集/家族の一大事!!」の内容と重複しています。ご注意ください)