病棟夫婦 宮川サトシ
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同じ病気、同じ病棟。共に入院生活を送る富永夫婦。いつだって隣にはあなたがいた。健やかな時も病める時もーー。 生きる事と死ぬ事、家族とは、夫婦とは。長い長い闘病の果てに見える景色と感動。平凡な夫婦の平凡な旅路が、読む人の心を激しく抉る。 原作・エッセイで数々の話題作を送り続ける宮川サトシが満を持して放つ渾身のヒューマンドラマが遂に登場。
同じ病気、同じ病棟。共に入院生活を送る富永夫婦。いつだって隣にはあなたがいた。健やかな時も病める時もーー。 生きる事と死ぬ事、家族とは、夫婦とは。長い長い闘病の果てに見える景色と感動。平凡な夫婦の平凡な旅路が、読む人の心を激しく抉る。 原作・エッセイで数々の話題作を送り続ける宮川サトシが満を持して放つ渾身のヒューマンドラマが遂に登場。
『宇宙戦艦ティラミス』 『SUPERMAN vs飯 スーパーマンのひとり飯』 『僕!!男塾』 『ワンオペJOKER』 『LV41才の勇者』 『落合博満のオレ流転生』 など、さまざまな作品で楽しませてくれる宮川サトシさん。 送り出される作品はコメディが多いですが、こちらは原点である『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』を彷彿とさせるようなテイストの作品です。 互いにガンで同じ病院の隣室に入院している老夫婦。 仕事を辞めて10年引きこもっている息子。 誰にでも訪れるかもしれない、ある家族のままならない状態が描かれます。 夫の方は亭主関白であり、息子が仕事のかたわらでマンガを描いて芽が出たときも、辛くなって仕事を辞めたときにも理解は示さず強く当たっていた昔気質の男性です。ただ、そんな性格も病を経て少しずつ変わっていく様子を見せます。 結婚して子供も産まれて一見順風満帆に見える娘にも、少し陰が見え隠れします。10年引きこもっている兄がいて、両親も近い将来どうなるか解らないという状況も併せて考えればその心境が穏やかでいられないのも当然なのですが。身内が少しずつ衰えていくのを見守る時間の辛さはよく解ります。 歳を重ねて、変わったことにより初めて交わせる言葉があり、それでも変えられないものもあり。ささやかなものに幸せを見出し、拭えない後悔を抱く。重く苦く、されどそれだけでもない人生の味がとつとつと物語られていきます。 夜の消灯後に、ふたりで言葉は交わさずとも壁を叩き合って互いの存在と意志を確かめ合うシーンが何とも胸に迫ります。 いつかは必ず訪れる、身近な人との別れ。 あるいは、自分自身のこの世のすべてとの別れ。 そうした瞬間が訪れる前に、やりたいことやできることをなるべく悔いの残らないようにやっておきたいと思わせてくれる作品です。