あらすじ「ぬすくれめ――バチが当たるぞ」妊娠をきっかけに、東北にある夫の実家に移住することになった咲は、別人のようにふるまう夫や、見知らぬ文化に不安を覚えながらも、懸命に馴染もうと努力していた。もう子どもなどいないその家で、“住み込みで子守りをしている”という、盲目の老婆・サダ。彼女が大切に扱っていた人形を拾ったところから、事態は急転する――。<オシラサマは、神棚や床の間に祀ること。大切にすればその家を守り―――粗末に扱えば、家が傾く>。