あらすじもしも、あのモーツァルトが実は女だったとしたら?大胆な着想で優雅に奏でられる、福山庸冶版『アマデウス』。ミュージカル化もされた傑作、第二部!本作品は、1995年に弓立社・より紙単行本として出版されたものを、太田出版が2013年に電子書籍化したものです。
第1話を読み始めてすぐにこれは傑作だ!!と分かりました。少女エリーザの天才的な音楽の才能に打ち抜かれた父親が無理やり息子として育てることを決めてしまうのですが、まるでモーツァルトの曲そのもののように目まぐるしく展開するのです。女は作曲家になれないとされた時代の苦肉の策でしたが、モーツァルト本人は音楽に熱中できるので自分の奇妙な境遇にも全く悲観していません。しかし彼の非凡な才能は周りの人間を狂わせていきます。女だと知らないまま結婚してしまったコンスタンツェや、モーツァルトの才能を誰よりも理解しながら嫉妬心を燃やしている宮廷作曲家のサリエリがそうです。特にサリエリは映画「アマデウス」でもかわいそうな役どころでしたが、「マドモアゼル・モーツァルト」ではモーツァルトに恋愛感情まで抱いてしまいます…!男は自分より才能のある女を愛することができるのか?そして女だったモーツァルトの最後とは?ぜひ読んでみて下さい。新装版が今年発売されたので紙派の人も手に入りやすい今がチャンスですよ!