一見、平々凡々とした国語教師・吸田伊門(すいたいもん)。ガラの悪い生徒にも非暴力無抵抗、小心翼々と暮らしているかに見える。だが、彼には絶対に隠し通さなければならない秘密があった。髪型を変えて夜な夜な歓楽街をうろつき回り、クラブで若い女を捜すのも己が身の不幸ゆえ。そう、彼は処女の血を啜らねば生きてはゆけない、闇の眷属・吸血鬼なのだった。目下のターゲットは同僚の英語教師・新田留美。どうにかして接近したい伊門だったが、まるっきりチャンスらしいチャンスが訪れない。それもそのはず、夜になれば吸血鬼だが、太陽の照る日中はすこぶる虚弱体質なのだ。校長の配慮でバレー部の顧問になっても、醜態をさらすばかりの毎日。そんな時、他校のバレー部の英雄・三枝博史が伊門の教え子をいいように弄んでいたことが発覚。留美は激昂し、この非道を糺すように伊門に迫るが……。シリーズ第1巻(全10巻)!
まったく冴えない高校国語教師・吸田伊門。昼間は頼りにならない彼でも、夜になれば超人的に強くなる。そう、人ならざるバンパイアこそが伊門の正体。命を永らえるには処女の血を吸わなければならない……募る吸血への欲求は、この男をどこへ連れてゆくのか?同じ職場の英語教師・留美の首筋に牙を立てたい伊門だったが、なかなかチャンスは巡ってこない。金と欲望にまみれた変質者や、問題のある生徒どもにお仕置きをしても、どうにも虚しさは埋められない。戦いもいいが、やはり血でなくては……。そんなある日、たまたま同僚教師・千石と酒席を囲んだ伊門。なんと、彼は吸血鬼について研究をしていると告白した。正体が見破られる!?仕組まれた罠、最大のピンチ!!第2巻(全10巻)!
覇気というものがまるでないダメ教師・吸田伊門。そんな彼でも夜の帳が降りるころ、歓楽街へと足を向ける。今宵こそは乙女の純潔とその血液をいただく!何をしても満たされぬ、この喉の渇きを癒すために……。彼は妖魔の一族バンパイアなのだった。胸に秘めた欲求と苦悩はどこまでも暗く、濃い影となって彼を覆う。同じ学校で教鞭を執る地味な男・千石はそんな伊門に興味を抱き、正体をつきとめようと画策する。見破られたが最後、人間社会からの排斥は免れない。ひょっとしたら自分の父親のように、非業の死を遂げる羽目になるかも……。伊門はいやがうえにも警戒心を強めるが、逆に千石が危機に陥る事件が起きた。超能力で助けることは簡単だが、自ら正体を晒す真似など出来はしない。ダーク・ヒーローを襲うジレンマ、うつろいゆく運命!第3巻(全10巻)!
昼間は普通にダメな国語教師、夜はバージン・ブラッドを求めてさ迷う吸血鬼・吸田伊門は、人間界で悩み多き二重生活を送っていた。しかし、啜るべき純潔の血はなかなか得られない。彼が勤める高校に現われたのは不気味な講師・大神。いかつい体育教師を指一本で宙に踊らせる、こいつは何者なのか……。大神が生徒に対して起こした暴力事件は、伊門の機転で穏当に解決した。人の好い校長を免職に追い込まずに済み、ほっと一息つく伊門だったが、大神と教頭が仕組む陰謀は収まる気配を見せない。次に狙われたのは、英語教師の留美。かねてより(その血液に)想いを寄せていた伊門は、怒りに身を震わせる。大神の切れ味鋭い武術を相手に、闇の超能力が放たれる!異色バンパイア・コミック第4巻(全10巻)!
太陽がその勢いを失い、地平のかなたに沈むときから、彼の活躍がはじまる……。高校で国語を教える凡庸な男・吸田伊門にはもうひとつの顔があった。夜になりさえすれば、バンパイアとして無類の強さを発揮できるのだ。だが、それと引き換えに強烈な渇きが身をさいなむ。一刻も早く清らかなバージン・ブラッドを飲まなくては!いっこうに進展しない同僚の教師・留美との仲に見切りをつけ、ネオン煌く街路へと踏み出した彼だが、そこで信じられないものを眼にする。女性の首筋に穿たれた二つの穴。もしや、この街に俺以外の吸血鬼が潜んでいるのか!?しかも相手は能力を誇示し、さかんに挑発をくり返す。穏便に生きてきた隠れ吸血鬼と、本能のままに獲物をしとめる新たな吸血鬼。強大な妖魔のプライドが激突し、もはや死闘は避けられない。いずれが斃れ、いずれが闇に勝利を叫ぶのか?!急展開を迎えるダーク・ヒーローシリーズ第5巻(全10巻)!
吸田伊門。人間社会に混じってひっそりと生きてきた「隠れ吸血鬼」の男。強烈な吸血願望や孤独感を抱えつつも、これまでは何とか北龍高校の国語教師として、おとなしい人生を歩んできた。そう、これまでは……。ある晩、街で出会った長髪の男は、伊門と同じバンパイアの一族。しかも、伊門を遥かに凌ぐ超能力を持ち、欲求のままに人間を襲う危険な性格。昼間の日光の下でさえ全く色褪せないそのエネルギーは、北龍高校を恐怖のどん底に叩き込んだ。文字通り命を削ってこの凄絶な戦いを乗り切った伊門だったが、その代償はあまりにも大きく、深刻なもの。瀕死の肉体を救った血の一滴が、眠れる妖魔の本性をゆさぶったのだ。どうしても抑えられない渇きは、いよいよ……。緊迫の展開!第6巻(全10巻)!
処女の血(バージン・ブラッド)を啜ることで不老不朽の肉体を保つ魔性の者、バンパイア。夜の訪れとともに超人的な力を得て獲物を狩る、闇の眷属。吸田伊門はそのひとりでありながら、正体を隠し人間社会に溶け込もうと努めてきた。だが、凶悪無比な同族と死闘を演じたことがきっかけで、血を求める本能が激しく刺激されてしまう。ブレーキの効かない闇の衝動は、伊門から旧来の友人、理解者、愛する存在を隔絶せしめた。勤めていた北龍高校を去り、彷徨の果てに見つけた新たな居場所は、ホストクラブ「地吾露」の片隅。きのうはヤミ金融とわたり合い、今日は代議士の娘を偽装誘拐。チンピラのテツを弟分にして、伊門は無頼な日々を送る。これまでは決して手を出さなかった、人間の血を糧としながら……。そんな時、純粋な娘の中にかつて想いを寄せた女・留美の面影がよぎった。失われた過去を取り戻せるのか、伊門!?ダーク・ヒーローシリーズ第7巻(全10巻)!
冴えないホスト、吸田伊門は無気力かつ無愛想。いざというときのために用心棒として店に雇われているが、本人の目的は金銭とは別のところにあった。処女の肉体に流れるバージン・ブラッド、これを吸わなければ猛烈な禁断症状に襲われるのだ。そう、彼は魔性の者……バンパイア。夜になれば飛鳥のごとくビルの間を駆け、マインドコントロールもお手の物。弟分でお調子者のチンピラ・テツと共に、純粋無垢なる血を求める毎日だ。それでも理想の獲物はなかなか捕まらず、伊門は次第に憔悴してゆく。さらに、彼の正体に勘付いたルポライターが決定的な証拠写真を……。あやうし隠れ吸血鬼。本性が暴かれたが最期、人間社会での平穏な暮らしはもう望めない。そのとき、意外な人物が助けの手を差し伸べる……。第8巻(全10巻)!
夜の街の片隅、ホストクラブ「地吾露」にひとりの男が雇われていた。その名は吸田伊門。本性を押し殺して人間社会の狭間に生きる「隠れ吸血鬼」。かつては教師として生活し、人間に純粋な想いを向けたこともあった。過酷な同族との戦いを経て、今はもう完全に覚醒し、処女の血液……バージン・ブラッドなしでは己の肉体と精神を維持できなくなっている。今度の絶食期間はかつてないほど長く、伊門は衰弱の極みにあった。駆けずり回ってようやく見つけた純潔な乙女・沙世は、伊門に対しある依頼をする。ぼろぼろの身体に残された力は僅かなもの。最後の力をふりしぼり、甘美なる血液に辿りつけるのかどうか。この窮地にあって警視庁のエリート・緒方警部までもが伊門の正体を察知し、執拗に追いかけてくる。吸田伊門シリーズ最大の危機!!バンパイアの日常と苦悩、第9巻(全10巻)!
吸血鬼であることをひた隠しにして、人間社会でかつては教師、いまはホストとして東京の片隅に生きる男・吸田伊門。ほぼ7日おきに襲ってくる吸血の欲求は伊門にとって悩みの種。処女の体にのみ流れる深紅の純潔……バージン・ブラッドによってのみ渇きは癒されるのだ。ある日、伊門を兄貴と呼んで慕うチンピラ・テツはストーカーに怯える女性・智子と出会う。テツは助力を申し出るが、これが凄惨な戦いの始まりとなった。ストーカー・鎌田は小柄な体で地味な風貌、簡単にさばけそうな相手に見えたが、秘めた力は恐るべき代物。伊門は回復不能なダメージを負ってしまう。思いつめたテツは遠く北海道へと一本の電話をかける。伊門のかつての同僚、そして想いを通じあったただひとりの女性、留美を呼ぶために……。ダーク・ヒーロー復活なるか!?現代を舞台にバンパイアを描ききったシリーズ最終巻(全10巻)!