あらすじ発表会に向けて、研究生達のやる気と緊張が入り混じった役決めのための審査が始まる。「ジェイムス役」「シンシア役」「死神役」のメインを勝ち取る為に、それぞれが個性を活かした演技をする中で、ついに真檎の出番がやってくる。自分の演技の魅力はなにか、悩んだ末に今表現できる全てを魅せる真檎。演目『死の糸』で役を掴むのは果たして…。
脚本家になる夢を諦めて今は花屋で働いている青年・八野田葉一は、「劇団椿座」の劇団員の卵として高校で演劇を学ぶ林真檎と出会います。 可愛らしい少女のような見た目をしている真檎は、劇団員が男性のみで構成された「劇団椿座」において“女役”を演じるために生まれてきたかのようでしたが、それは真檎自身が役者として目指す姿とは違うものでした。 過去に夢を諦めて今では全く別の仕事をしている葉一と、役者としての天賦の才を持ちながらそれが自身の望む物ではないという真檎。 そんな2人の出会いが生んだ化学反応は、彼らの生き方だけではなく、前時代的な風習も残る「劇団椿座」全体をも巻き込んだ物語を生み出していきます。 この作品はそんな2人を中心に描かれる、”劇団”という特別な空間をテーマにしながら誰しもが共感できるストーリーに仕上がっている作品です。 1巻まで読了