あらすじ真檎の為に脚本を書いていた事が、結果的に贔屓となってしまい、「椿課」の中に歪みを生んだ責任から合宿所を離れた八野田。それからひと月が経ち、筆を執る事をやめた彼のもとに真檎が訪ねて来る。真檎はそこで自分の過去について話し出す。それは姉を事故で亡くし、悲しみから抜け出せなくなった母を想うがあまりに、自分の存在を消した過去。
脚本家になる夢を諦めて今は花屋で働いている青年・八野田葉一は、「劇団椿座」の劇団員の卵として高校で演劇を学ぶ林真檎と出会います。 可愛らしい少女のような見た目をしている真檎は、劇団員が男性のみで構成された「劇団椿座」において“女役”を演じるために生まれてきたかのようでしたが、それは真檎自身が役者として目指す姿とは違うものでした。 過去に夢を諦めて今では全く別の仕事をしている葉一と、役者としての天賦の才を持ちながらそれが自身の望む物ではないという真檎。 そんな2人の出会いが生んだ化学反応は、彼らの生き方だけではなく、前時代的な風習も残る「劇団椿座」全体をも巻き込んだ物語を生み出していきます。 この作品はそんな2人を中心に描かれる、”劇団”という特別な空間をテーマにしながら誰しもが共感できるストーリーに仕上がっている作品です。 1巻まで読了