あらすじ

その夜は、まるで暗闇が攻めてくるように村の外から徐々に暗くなってきた。そして鯉太郎は闇坊が現れたことに気付く。世界を闇で包み、闇の闇坊たちの大群は月をひと飲みし、灯を隠し、希望をなくし、闇一色にする。暗闇こそ我らが故郷、我らが生命と、村全体を黒く塗り込め、支配しようと暴れまわる…!!
オバケ 1巻

夏休みに、父親の実家である山奥の村に遊びに来ていた日ノ本ケンとサチの兄妹が、近くを流れる紫川でハヤを捕まえて遊んでいると、突然、鱗一枚が顔の大きさほどある巨大な鯉が現れる!あまりの大きさに驚くが、祖母から、それは川の主・鯉太郎だと聞かされる。村にオバケがいることに感動した二人は、その夜…!?キツネの嫁入り、座敷童子、山姥、鯉太郎、河童…数々のオバケたちとの出会いを描いた、ひと夏の冒険譚が始まる!

オバケ 2巻

その夜は、まるで暗闇が攻めてくるように村の外から徐々に暗くなってきた。そして鯉太郎は闇坊が現れたことに気付く。世界を闇で包み、闇の闇坊たちの大群は月をひと飲みし、灯を隠し、希望をなくし、闇一色にする。暗闇こそ我らが故郷、我らが生命と、村全体を黒く塗り込め、支配しようと暴れまわる…!!

オバケ 3巻

川の中に住んでいる川男。彼が元気な川は清く澄んでいて、川本来の力に満ちている。紫川にも川男が住んでいるが、紫川の川男は疲れ果て、息も絶え絶えで瀕死の状態。川男が死んでしまうと川も死ぬ。鯉太郎と村の住民たちは、紫川を以前の美しい川に戻すため、川のお清めと、かつて大漁祈願の川祭りで行われていた、川渡りを復活させようと…!

オバケ 4巻

竹林の中から鯉太郎を呼ぶ声が聞こえる。そこには光り輝く竹姫が、鯉太郎に助けを求めていた。竹姫が住む竹林がある山が売られようとしているという。鯉太郎、竹姫、山彦童子は、山を売ろうとしている持ち主の孫娘・美鈴に、山を怒らせるとどれほど恐ろしいかを思い知らせようとする。山を売ることは故郷を売ること、魂を売ることだと、美鈴に鬼の面をつけて…!?そして、いよいよ夏休みも終わる頃、ケンとサチが東京に帰る日がやって来て…。畑中純の描くひと夏の冒険譚、完結!!