江戸時代に隆盛を極めた日本独自の数学「和算」。和算家の父に育てられた主人公・米倉律は、ひょんな事から知り合った南町奉行所同心で飄々とした中年男・深井転とともに江戸で起こる難事件を次々に解決していく。しかし、律の心はいつも失踪してしまった父・円(まどか)を追い求めていた。その父の消息として、「正負物差し」という父が作った謎の道具を手にした律だが、何に使うのか、どう使うのか、皆目わからない。だが、海の向こうからこの「正負物差し」に惹かれて、「禍神」(まがつかみ)なる怪人がやって来た。その目的は……? ついに完結! 和算ミステリードラマ。
算術家の米倉律(基本的に1話完結で毎回新たに読む人に向けてなのか自己紹介が入る)が、数学的思考を使って事件を解明したり、詐欺を暴いたりする物語。和算は衰退した分野だと思っていたから今まで興味がなかったけど、考え方や文化など、これはこれで研究する価値があるものだと分かる。問題を読み飛ばさないでじっくり楽しもう。