私的漫画世界|山田貴敏|Dr.コトー診療所
sakurakoji.sakura.ne.jp
山田貴敏(1959年生)は岐阜県出身であり,高校時代は美術部,中央大学に在学中に漫画研究会に所属していました。しかし,本人談では高校時代には一つの作品も完成させていませんし,漫画研究会もタダで漫画が読めると誘われ入部したもので,たまに漫画を読みに行く程度の活動でした。メインの活動はバイト,合コン,彼女を作ることであり漫画とは距離をおいた生活でした。
そのため漫画研究会の同級生から『60ページの漫画を書き上げたらカツ丼をおごる』と持ちかけられ,一念発起して描きあげたのが「二人ぼっち」です。この作品が講談社新人漫画賞佳作を受賞しします。
続いて「マシューズ -心の叫び-」で同賞に入選し少年マガジンでデビューしました。この当時の新人漫画家はまず売れている作家のアシスタントからスタートするのが一般的でしたが,山田はそれを飛び越えて一足飛びに漫画家になってしいました。
1990年からは小学館に移籍し,少年サンデー,ヤングサンデー,ビックコミック・オリジナルなどで執筆しています。2000年からは作者の最大のヒット作となっている「Dr.コトー診療所」の連載を開始し,2004年度の第49回小学館漫画賞を受賞しました。しかし,単行本で25巻が出てから長期休載中となっています。
2011年11月の作者のブログには『病気療養中であり,万全の状態で連載を再開することを念頭に治療に専念していますと』いう内容が掲載されています。病気から一日も早く回復し,執筆活動を再開することをお祈りしています。
山田貴敏の絵柄は少年マガジン時代の初期作品と「Dr.コトー診療所」ではかなり異なっています。その中間に位置する「いたたきます!」はそのどちらでもない絵柄であり,作品に合わせた絵柄を選択しているようにも見えます。