あらすじ新宿の裏道で中年の男が倒れていると通報があった。男の名は佐伯徹、45歳。大手銀行の課長だ。そしてプリンスは、名前を名乗らないで電話を切ったという通報者の存在が気にかかるのだった。佐伯徹の娘・さえこがクサいと感じた十兵衛は、ひとりでさえこの内偵をすすめるが…。
ちょうど能條先生にはまっていた時に読んだタイトルなんですが、ふとした時に思い出すヒューマンドラマです。 主人公は、現場にこだわるキャリア。その相棒は、叩き上げのノンキャリア。本来ならば「住む世界が違う」二人なのですが、「プリンス」は特別扱いを嫌がり、次第に周囲に受け入れられていきます。 主人公のプリンスは無類の女好きなのですが、相棒の十兵衛が自分の女房について語る言葉がとても好きです(地味なシーンだとは思いますが、能條漫画の中でも屈指の名言だと思います)。糠粳の妻って言葉は死語かもしれませんが、憧れる言葉だったりもします。