あらすじ「女同士なんて、ありえない!」という榊原鞠佳は、「だったら、女同士がありえないかどうか、試してあげる」という不破絢の挑戦を受け、一日一万円で百日間、百万円をかけて勝負することに…。絢と一緒に過ごすにつれ、「ありえない」という言葉がだんだんと弱くなっていく鞠佳。果たして鞠佳は百日経っても「ありえない」と言い張ることができるのか――。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
主人公・鞠佳はクラスの人気者。彼女は同じクラスの絢に、1日一万円×100日で「落とす」という勝負を持ちかけられる。……何だかとんでもない下衆な話の様だが、実際過程に下衆な部分もありつつ、1巻はかなり良い話。 「女同士なんてありえない!」と公言する鞠佳を、百合マンガ等を駆使したり、ボディタッチで責めたり、さらには……と、頭と体に訴える絢。落とされまいと理論武装で固める鞠佳に対して、何処までも余裕の絢。 想像力を鍛えられ、現実を見る事で、鞠佳の同性愛への認識が変容し、視野が広がる様が興味深い。そこにあるのは、百合マンガ等の創作物が、人の価値観を揺るがし、広げる可能性だ。 そして、目の前の人に対する想像力も。 知らなかった絢を発見する鞠佳。二人が結ばれるかどうかも気になるところだが、最終的に鞠佳には、目の前の人に対する優しさ・想像力のある人になって欲しいと思わされた。 「ありえないでしょ」なんて大声で言わない優しさを。