あらすじ東京大学を卒業後、フリー雀荘の店員になった男がいる。モラトリアム…でもない。怠惰、無頓着、あるいは“自由”に憧れ…というわけでもない。雀荘に一歩足を踏み入れて以来、いつのまにか、他に行き場を失った。単に麻雀が好き、というだけでは続けられる仕事ではない。そこに集まる人々の得体の知れないエネルギーに、絡めとられたのかもしれない。それは決して健全でも建設的でもなく、ましてや青雲の志をかけるには場違いだった。人は言う。東大を出たのに…なぜ…。