あらすじ

高校の養護教諭、西園寺(さいおんじ)は生徒である劫に出会い、その視線に捕われる。生徒たちに慕われる西園寺だが、ある事情で息苦しい日々を送っていた。そんな時、劫が倒れ保健室に運ばれる。馴れ馴れしい劫を警戒する西園寺。だが、避ければ避けるほど、西園寺の中で劫の存在が大きくなって…。「君の鼓動」編(1)
僕の楽園(1)

エロがすべての最優先。それが劫(きょう)の日常だ。一方で、彼には幼い頃に誘拐された過去があった。始まりは高1の春。気乗りしないまま女の誘惑に乗った劫だが、女の彼氏に代償としてある行為を要求される。その最中に意外な記憶が蘇った。誘拐犯の女と同じ“男を悦ばせる何か”が自分の中にもある。そう悟った劫は、刹那(せつな)的な快楽を求め、ロックオンした相手を次々に堕(お)としていく。そんな彼の周りで誘拐事件の真相を探る動きが…。エロと純愛の長編ヒューマンラブストーリー。「Junction」編

僕の楽園(2)

目を覚ましたら劫が僕の脚の…!?高2の聖司の日常は淡々と過ぎていく。茜という彼女もできて楽しいはずなのに、友人の劫に妙にざわめく。ある夜、劫が一人暮らしの聖司の部屋を訪れる。眠りに落ちた聖司は、劫に信じられないことを仕掛けられた。「青い春」編(1)

僕の楽園(3)

劫は何であんなことを…。まともに顔を見られない。なのに劫は平然と笑ってるなんて。劫の行為を忘れようとする聖司に、今度は皆のいる教室で劫は密かな情事を仕掛けてくる。逃げられない。いや、違う。日常の何かが壊れていく。聖司は劫を拒めない心と、快感を覚えた身体に当惑する。「青い春」編(2)

僕の楽園(4)

劫になんか引きずられない! なのに受けた快感が心と身体にまといつく。聖司は茜を抱いて劫を忘れようとするがうまくいかず、傷ついて去った茜と入れ違いに劫が聖司の元へ現れる。劫の与える快感が、自分の何かを引きずり出そうとする感覚。そこへ、戻ってきた茜がドアの向こうで呼び鈴を鳴らす。「青い春」編(3)

僕の楽園(5)

なんで僕なんだ。どうして、僕は劫にこんなコトをされてるんだ?劫は強引に聖司を翻弄するものの、どこか楽しそうで優しい。拒めない聖司の何かが変わって行く。劫には、聖司と出会った時に抱いた想いがあった。「青い春」編(4)

僕の楽園(6)

この気持ちはいったい…。刻まれたざわめきが心と身体から離れない…。聖司は茜に振られ、そのいら立ちを劫にぶつけるが、劫と2人きりになって変わってしまった日常と自分の望みを受け入れる。そして、劫の謎めいた言葉の意味と、自分の本当の気持ちを知る。「青い春」編完結。

僕の楽園(7)

高校の養護教諭、西園寺(さいおんじ)は生徒である劫に出会い、その視線に捕われる。生徒たちに慕われる西園寺だが、ある事情で息苦しい日々を送っていた。そんな時、劫が倒れ保健室に運ばれる。馴れ馴れしい劫を警戒する西園寺。だが、避ければ避けるほど、西園寺の中で劫の存在が大きくなって…。「君の鼓動」編(1)

僕の楽園(8)

劫への関心を悟られまいと、素っ気なく対応する西園寺。だが、劫はそんな心理を見透かしたように大胆に西園寺の領域へと入り込んでくる。白い肌や指先の感覚に捕われながらも踏み留まる西園寺に、劫はさらに…。「君の鼓動」編(2)

僕の楽園(9)

劫の罠にはまった西園寺は、劫が自分に向ける欲望をはっきりと自覚する。西園寺が誘惑を跳ね除けると、劫は彼から遠ざかった。だが、ある理由で彼らは2人きりになってしまう。そこで劫が仕掛けてきたとんでもないこととは…。「君の鼓動」編(3)

僕の楽園(10)

劫の狂気じみた行為は西園寺の中の何かを一瞬で打ち砕いた。やがて、西園寺は自分自身の姿を受け入れ、新しいスタートを切る。一方、そんな高校生活を楽しむ劫の周囲で、誘拐事件の真相を追う影が見え隠れしていた。「君の鼓動」編完結

僕の楽園(11)

劫は高校の卒業式で誘拐事件の担当刑事だった本庄と再会する。犯人の一人、東鬼(しのぎ)が出所したためだ。東鬼は自分に会いに現れた劫に動揺する。一方、本庄は事件の被害者である劫の生い立ちに違和感を抱いていた。本庄は事件解明のための協力を劫に頼むが…。「記憶の彼方」編

僕の楽園(12)

劫は本庄の署を自分から訪れる。そこで、本庄が引き取った赤ん坊、千春と出会う。大きな黒い瞳で劫を見上げ微笑んだ千春に、彼は不思議な感覚を抱く。そして、意外な提案を本庄に持ちかけた。「千の春」編。

僕の楽園(13)

千春の世話を始めた劫は少しずつ本庄や他者と関わっていく。そんな中、偶然に西園寺とも再会する。その日、劫はモデルのバイトに千春を連れていく。撮影は深夜に及び、そこへ憤った本庄が現れて…。「傍らの息吹」編

僕の楽園14巻

本庄宅の朝、劫の耳に飛び込んできた懐かしい音色。その音が彼の記憶を一気に11年前に引き戻した。狭い部屋で過ごした誘拐犯との2週間。何故か、その残像は不思議な色合いを帯びていて…。そんな劫を本庄は見守っていたが、生活態度には苦言を呈する。一方で、劫は千春の検診先で西園寺と再会し彼のマンションを訪ねる。「遠い風の音」編

僕の楽園15巻

再会した西園寺は離婚しており、劫に変わらない想いを告げる。そんな西園寺との逢瀬を楽しむ劫。一方で、行方不明の本庄の弟や元妻など、千春を通して周りの人間と関わり始める。本庄は劫を誘拐した片われ・東鬼の証言から、外国人の女・杏が主犯だと睨んでいた。そんな本庄だけに、東鬼は不思議な情報を残していた。「消えた片われ」編

僕の楽園16巻

誘拐事件の主犯である杏と被害者の劫を結ぶものは何なのか。歪な家族の中で育った劫の過去を知る本庄は、複雑な思いを抱き始めていた。一方、夏期講習に通う劫は、いつも同じ場所で不思議な絵を描いている青年に接近していく。「小さな棘」編

僕の楽園17巻

千春が高熱を出し、初めての感情に戸惑う劫。そんな折、本庄はある考えを持って西園寺を訪ねる。「絡まる視線」編