あらすじ源経基、藤原師輔に変事あり――。そして諸々の事件の中心に浮かび上がる、ひとりの男。それは平将門、かつて“新皇”を名乗って大乱を起こし、二十年を経た今なお畏怖とともにその名を語られる不世出の武人――!!
これはすごい…。あやしくもきらびやかな平安の空気感を醸す精緻な設定に、一癖も二癖もあるキャラクターたちの洒脱な掛け合い。そして読後に全コマもう一度見返したくなるようなエネルギーに満ちた画面! 自分は夢枕獏作品にも平安時代にもとんと疎いのですが、本作に触れ「こんなにも心躍る世界があったとは!」とさっそく沼にハマりそうです。 近頃とある英霊バトルゲームなんかでも平安時代がフォーカスされたりして、本作に出てくるような登場人物の名前も見かける機会が増えてきた次第。 スカした態度の安倍晴明に存在そのものがヤバそうな蘆屋道満(でもめちゃめちゃカッコイイ)、そして最強の格が溢れんばかりの俵藤太!! 名だたるスーパースターたちが本作でも危険な魅力を爆発させていて、歴史をふんわりとしか知らない自分も心を鷲掴みにされてしまいました。 安倍晴明と源博雅がさまざまな怪事件の調査に乗り出すまでが1巻で、本格始動はこれからというのにも関わらず読み応えがすごいです。ゴリゴリの陰陽バトルが始まってしまったら一体どうなってしまうんだ…。もう続きが楽しみでしょうがないです。