ゲームメーカーでグラフィッカーとなる女性の視点から、1990年代以降の所謂「美少女ゲーム」の隆興を追うこの作品……と聞くと、「美少女ゲーム詳しくないしな……」と後ずさりする方もいるかもしれません。でも大丈夫!私も詳しくないけど、凄く楽しめました。 視点としては三つ。 ①1990年代の時代背景と美少女ゲーム大流行のリンク ②実在の会社名が出たり出せなかったりの可笑しさ ③美少女絵の進化と描き続ける心得 ■□□□ ①パソコンの普及と共に成長する「エロゲー」から始まるこのジャンル。地下鉄サリン等暗い事件、エロの規制を経て「エロゲー」はエロを抜いた「美少女ゲーム」へ変貌。そこで求められた物は、二人の女性グラフィッカーを駆り立てる。 基本OSのヒットにより、拡大する市場で膨らむ物語に、目が離せない! □■□□ ②この作品、実在のゲームタイトルやメーカー、その他名前がバンバン出てきます。しかしそれらを知らなくても面白いのが「名前を出せない」者の存在。伏字すらNGの某基本OSは苦笑いしかないのですが、場合によっては空白の横に「権利者不明により削除」と書いてあったり……背景の複雑さが垣間見えて楽しい。 □□■□ ③ 美少女ゲームに求められた美少女絵とは何だったのか……それは現在の漫画・イラストレーションにも波及する大きな潮流となります。 そしてこの作品、インタビューまで面白い!アリスソフトで初期から製作に携わってこられたイラストレーターのMIN-NARAKENさんのお話は、美少女絵に命を吹き込むこと、それを20年、30年続けていく為の心得を教えてくれます。 イラストレーターだけでなく漫画家も必見! □□□■ 歴史の波長が噛み合って、大きなうねりが生まれる。そのうねりの本質を知り、世界の末端からメインストリームへ飛び込んで行く物語は、ドキドキしますよね?そんな面白さが、今後紡がれそうな予感。今はまだ、貧乏臭いけど……期待!
あうしぃ@カワイイマンガ
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