あらすじ訳ありな住人たちが住む、大阪の安アパートを舞台に社会の底辺で暮らす人間たちの人生の機微を描く。先が見えなくても人生は続く、中毒者増加中の下流ライフストーリー!! 母親が失踪した少年・友田、故郷を出奔した若き日の中条、女性と揉めながらもモテてしまう石田、偶然再会したユリと一日を過す女子大生・高橋、タバコを交換したがるおばちゃんの過去、ユリのバイト先・居酒屋春一番で働く人々の人生模様。1巻より更なる充実で魅せる6編を収録。今、最も読むべき漫画家・岩波れんじ、待望の単行本第2弾!!
大阪のボロアパートを舞台にしたワケあり人間たちの日常を描いた作品。つい古き良き昭和の懐かしさを感じてしまいますが、それはそれとして新しい時代の貧乏下宿マンガとして読みました。最近は貧乏マンガを描く人は少ない中、ここまで飄々と生身の人間を描ける作者さんは稀有な存在だと思います。タバコを交換したがるおばちゃんとか、どの住人達にも生々しいリアルさを感じます。ふとした時の虚無の表情が何とも言えない奥深さがあって良い…。やはり人間の業の深さというものは虚無の表情からこそ見えてくるのだと思えるのです。