下町の脇田ゴルフ練習場に、トーナメントに出場しているプロゴルファーがレッスンプロとしてやってきた。といっても、その男、織部金次郎は17年間で1勝もできないまま。だが思いやりにあふれ、練習場で腰を痛めた勝田の背中に、他人に見られなくない入れ墨があることを知るや、自分で背負って自宅まで送っていくほどだった──。中年プロゴルファー、織金こと織部金次郎が、周囲の人々に支えられながらトーナメントに挑戦していく姿を描くペーソスあふれる物語。原作者・武田鉄矢自身の監督・主演で映画化もされた。
河川敷ゴルフの練習生、波渡一人が織金の弟子になりたいと直訴してきた。あまりの熱心さに、織金はまず距離感を養えと指導。次には、なんとミスショットの練習をしろと言う。
ついに織金がトーナメント予選に出場した。だが他の出場者と飛距離が50ヤード違うことを実感させられ、しかも16番ホールでOBを出してあえなく落選。そんななか9番ホールでの打球だけは、自分でも驚くほどの球筋だった。あの球が打てれば……。そんな思いで織金は練習する。
トーナメント出場の機会を得られない織金を見かねた勝田は、スナックで知り合ったプロゴルフ協会名誉会長の東郷に直訴。だが織金以外にも出場機会のない数多くのプロたちを見て、自分の甘さを悟る。
美浜いすずの力で、関東地区の予選会を行なうコースで練習する機会を得た織金。いすずは織金を「一流のプロゴルファーにする」と宣言する。
みんなの前から姿を消した織金。別れた妻の時枝が桜子に会いにきて、織金がお金を借りに来たが貸さなかった。しかし必ずトーナメントに出ているはずだと告げる。