あらすじ

203×年10月、臓器製造のために開発されたクローンのひとつ伝電子(でんでんこ)が「心」を持ち暴走。研究員の麻川世太(あさかわせいた)を連れラボを脱出し、特殊能力で人を操り街へ侵入。ラボからは追っ手の暗殺者「炎一郎(えんいちろう)」が迫るが―
TRIAGE 第1話
相模原事件が起きたのは2016年7月26日未明のことだった。障害者施設に入居する45人を連続殺傷するという戦後最悪の凶行。犯行に及んだ植松聖(現在は被告)は逮捕後、マスコミ各社に宛てた手紙のなかで動機を語ったが、その中で強調されていたのが「心失者は生きていないほうが良い」ということだった。2017年10月から現在まで、10数回の面会と数10回の手紙のなかで、何度も私は植松に、この「心失者」について聞いている。答えは「自分の名前も住所も言えない人。意思疎通ができない人」だった。だが名前が言えなくても、意思疎通が出来る人はいるだろう。植松がいう「心失者」と「人」の境界線はどこにあるのか、それは今も分からない。だから、植松が「描くのが好きだ」という漫画で、その意味に迫ってみようと思った。 タイトルの「TRIAGE(トリアージ)」という言葉の意味は、戦地や災害現場で“治療の優先順位を決めること” 。負傷者が複数いた場合、誰を救うのか、というやり取りのことである。つまり“命の選別”だ。物語の舞台は近未来の日本。主人公の「心がない」クローン・伝電子(でんでんこ)が、あるきっかけで心を持ち、人間に追われるように。だが逃げ出したクローンに道連れにされたひとりの男・麻川世太(あさかわせいた)が、「人間の敵」である心を持ったクローンにとった行動とは―。 この漫画は、事件の動機として植松本人が語っている「心失者」の意味を解き明かす検証のための連載だ。尚、漫画内に横線が入っているが、拘置所から送られてきたノートのまま掲載しているためである。(実話ナックルズ編集長 宮市徹)
TRIAGE 第2話
203×年10月―臓器製造のために開発されたひとつのクローンが突如暴走した。通常、クローンは「心を持たせない」ようにつくられているが、そのなかの一体が突然変異により人間と同じ「心」を持ってしまったのだ。クローンは自らを「伝電子(でんでんこ)」と名乗り、特殊能力を使って研究員をコントロール、ついにはラボから逃走した。研究員のひとり・麻川世太(あさかわせいた)を道連れにして―
TRIAGE 第3話
203×年10月、臓器製造のために開発されたクローンのひとつ伝電子(でんでんこ)が「心」を持ち暴走。研究員の麻川世太(あさかわせいた)を連れラボを脱出し、特殊能力で人を操り街へ侵入。ラボからは追っ手の暗殺者「炎一郎(えんいちろう)」が迫るが―
TRIAGE 第4話
203×年10月、臓器製造のためのクローン・伝電子(でんでんこ)が「心」を持ち暴走。研究員の麻川世太(あさかわせいた)を連れラボを脱出、人の心を特殊能力で操り、逃走劇をつづけていた
TRIAGE 第5話
203×年10月、臓器製造のためのクローン・伝電子(でんでんこ)が「心」を持ち暴走。研究員の麻川世太(あさわかせいた)を連れラボを脱出し逃走劇をつづけるなか、目の前に出現した暗殺者・炎一郎をも撃破。追われていることを知った電子と世太が向かったのは―意外な場所だった
TRIAGE 第6話
203×年10月、臓器製造のためのクローン・伝電子(でんでんこ)が「心」を持ち暴走。究員の麻川世太(あさわかせいた)を連れラボを脱出し逃走劇をつづけていたが、突如ラボへと舞い戻った。自らの「自由」と「人権」を認めさせようとする伝電子を、ラボの所長は止めることができず、また逃避行がはじまった
TRIAGE 第7話
203×年10月、臓器製造のためのクローン・伝電子(でんでんこ)が「心」を持ち暴走。究員の麻川世太(あさわかせいた)を連れラボを脱出し逃走劇をつづけていた。そしてついに、暗殺者のボス・鬼頭が動き出した