おにがしま。2
「なんということだやってしまった失敗してしまった不運としか言いようがない乞う相手を間違えるなど愚か者の極みだ原因は己の力不足だ悔恨など恥知らずにもほどがあるしかし嫉む心が抑えられない内の臓が乾いて仕方がない挽回は許されるだろうか少しでもいい情けをもらえないだろうかどうか」「いやだ俺を捨てないでくれ要らないものだと俺を見限らないでくれ今度はうまくやってみせるおまえに全部ささげてみせる全部消すおまえを害すもの全部挽き落としてみせるだから俺を見てくれ許さなくていい無視しないでくれ俺を見てくれ死ぬまで俺を見――」「あなたの声をきいて泣く赤子のように無垢なこころでずっと生きていられたなら姑息野卑な私でも傍に寄り添い住めたのだろうかそんな殊勝な泣き言はなんて汚くあさましい聞き分けのいい大人のようにすましたところでもう無駄無意味で無垢を忘れた幼稚なぼくは今も内側で泣きわめくくそったれ」「しゃらりと音が鳴る敬われかしずかれ貴方は光だと崇められ王座に君臨する顔を上げるな頭を垂れろ万物わらわに尽くせそれが幸なのだとしっているなのに、おまえが、ちがうから、だから、おまえの声、忌々しい、おまえが、煩わしい、だまれ、なくな、おまえ以外、ちがう、奈落の底でもおまえだけがいれば」「例えば明日オレが絶えたとして君には何の傷も残らないのだろう夢の終わりはいつだってあっけなくかろやかにオレを打ちのめすならば現実はどうかといえばそれは夢よりも憐れだどうだみっともないだろう?笑えるだろう?その一笑の褒美をひとかけらオレにくれすまないもう一生離れない」感情クソ重男たちが、ただひとり、興味関心を買いたいとこいねがう少女。加害者と被害者が錯綜するノンストップ・テイル第2巻
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