あらすじ

城東大攻防戦は、夜になっても時計台講堂突入を果たせず、事態は一進一退を繰り返していた。一方、自宅で攻防戦の様子を伺っていた龍太郎は、辞表を書きながら陽子の身を案じていた。翌朝、遂に警察の特攻隊が時計台講堂突入を果たし、山路や陽子らは徹底抗戦に出たが…。
メドゥーサ 1巻

血のつながらない兄妹・龍男と陽子は、互いに激しく求め合いながらも、保守党政治家と革命戦士として正反対の道を歩みだす――。学生デモの様子を眺めていた城南大学生の龍男は、その中に、血のつながらない妹・陽子の姿を見つけた。陽子はメデューサというコードネームを持つ、ノンポリ学生を運動家に変えてしまうオルグのプロであった…。男女の愛憎を描き、官僚政治の腐敗に鋭いメスを入れた社会派コミック!!

メドゥーサ 2巻

新宿での大規模なデモに巻き込まれ、重傷を負った龍男。陽子は、龍男の入院費用を捻出するために、キャバレーでホステスのアルバイトをしていた。陽子がいかがわしい店で働いているということを聞きつけた父・龍太郎は、アルバイトをやめさせ、龍男をほかの病院に移すことを画策していた…。

メドゥーサ 3巻

城東大攻防戦は、夜になっても時計台講堂突入を果たせず、事態は一進一退を繰り返していた。一方、自宅で攻防戦の様子を伺っていた龍太郎は、辞表を書きながら陽子の身を案じていた。翌朝、遂に警察の特攻隊が時計台講堂突入を果たし、山路や陽子らは徹底抗戦に出たが…。

メドゥーサ(4)

龍男と一夜を過ごした陽子は、山路に会ってきちんと話してから自首すると言い、山路がいる大阪に戻ることにした。だが、山路は宿泊しているホテルをひきはらっていた…。そして、大学最後の年、父親の墓参りに麗子とともに福岡へ行った龍男の耳に、東京からの飛行機が過激派にハイジャックされたというニュ-スが入った。

メドゥーサ(5)

青山の多目的ホール完成披露宴で、テロリストグループ「大地の剣」から爆破予告の怪文書が送られた。その翌日、ホールの爆破事件が発生、多数の被害者を出した。龍男は、アシスタントとして会場に来ていた、陽子と瓜二つの来島冴子が「大地の剣」のメンバーで、かつ陽子本人ではないかと思い…。

メドゥーサ(6)

来島冴子としての任務を終えた陽子は、ドイツからテルアビブへ向かった。任務修了の報告のために、「大地の剣」の議長・パダウィのもとを訪れた陽子は、テロ行為を続け、イスラエルとパレスチナの和平妨害を続けているムハマドこと山路の処刑計画を知る。

メドゥーサ(7)

アラブの富豪・バンダルが経営している高級娼館「ローズ・ガーデン」を訪れた狩野中東課長は、アラブ寄りの発言をマスコミに発表した。自身の政策にあえて逆らうような狩野の発言に、龍男は背後に何かしらの外圧が働いていると怪しむ。そして、「ローズ・ガーデン」で接待を受けていることが露見するのを恐れた民事党資源研究会最高顧問の重宗は…。

メドゥーサ(8)

陽子奪還作戦に出たハッサンは、バンダルの追手を撒くため、都内のホテルに潜伏した。陽子は腐敗した日本の権力構造を壊すことが、パレスチナにとって自分ができる最善のことだと言い、バンダルの元へ戻ることをハッサンに告げた。だがハッサンは、バンダルの元へは返さないと陽子に銃口を向け…。

メドゥーサ(9)

陽子が送った体毛は、今までに相手をした政治家・官僚のものであった。寺田らは体毛のパッケージに書かれているイニシャルと日付けをもとに、この日付けの彼らの行動の裏を取り始め、官僚腐敗を暴くために本格的に動き始めた。一方、バンダルのもとを離れた陽子は、天動家に隔離されていた。

メドゥーサ(10)

龍男が記者会見で陽子との過去を明かしたことに関して、マスコミから龍男へのバッシングが続いていた。一方、陽子は、正式に逮捕・起訴となる前に故郷を見ておきたいと鬼頭に申し出て、1泊2日だけ里帰りを許された。実家の母親に、父親の墓の前にいるから来てほしいと告げ、待ち続ける陽子。だが、やってきたのは…。

メドゥーサ(11)

寺田は収録した陽子の「ローズ・ガーデン」に関する告白を、アメリカのケーブルテレビ局に売り込んだ。だが、番組編成部長は日本の政局は言うに及ばず、アメリカの対日政策をも動かしかねないと告白の放送を見送る姿勢を示した。そんな彼に寺田は、日本のマスメディアや政局を変えたいとひるまなかった。

メドゥーサ(12)

山路は陽子を連れ、原子力発電所の中央制御室への侵入を試みた。この知らせを受けた龍男は原子炉の緊急停止を要請、対策を急ぐ。一方、侵入に成功した山路は、日本を動かすのは自分自身だと宣告。予断を許さない緊迫した形勢になった。山路は龍男もろとも日本を壊滅することで、陽子を取り戻そうとしていたのだ。