あらすじ

約束の日、雪科第五中で出会えなかった仲間たち。このまま閉城を迎えれば、心かよわせた皆と二度と会えず、孤独な日常に戻らなければならない――。どんな願いも叶えられる“鍵”を見つけられないまま、迎えたお別れの月、3月。1日1日を大切に過ごす7人だが、残り1日、事件は起こる――!
かがみの孤城(1)

学校に居場所をなくし、閉じこもっていた中学1年生の安西こころの目の前で、ある日、突然、部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは不思議な城。こころを含む7人の中学生は、案内人の“オオカミさま”から「どんな願いでも叶えられる“開かずの部屋”」の鍵を探すよう告げられる。本屋大賞第1位の感動作、渾身のコミカライズ!

かがみの孤城(2)

不思議な城に集められた7人の中学生、その共通点は昼間学校に行っていないこと。城が“唯一の居場所”と感じるようになったこころだったが、ある日、仲間の1人ウレシノが「僕は学校に行く」と言い捨て城を去ってしまう。夏休み明け、再び城に現れた彼は顔に大きな怪我をしていて――。明らかになるそれぞれの「隠し事」、そしてオオカミさまから新たな城のルールが告げられ…!?

かがみの孤城(3)

リオン以外の6人は、全員同じ雪科第五中の生徒だった――不思議な城に集められた仲間たちをつなぐのは、それぞれが事情を抱え、行きたくても行けない場所。「3学期に学校、来てくれない? 1日、だけでいいから」 楽しく過ごしたクリスマスパーティーの後、マサムネが勇気を振り絞って口にした願いに、7人は助け合う決意をする。約束の一月十日、こころは8か月ぶりに学校へと向かうが――!?

かがみの孤城 4巻

約束の日、雪科第五中で出会えなかった仲間たち。このまま閉城を迎えれば、心かよわせた皆と二度と会えず、孤独な日常に戻らなければならない――。どんな願いも叶えられる“鍵”を見つけられないまま、迎えたお別れの月、3月。1日1日を大切に過ごす7人だが、残り1日、事件は起こる――!

かがみの孤城 5巻

2018年本屋大賞第1位受賞作、感涙コミカライズ完結巻! 「大丈夫だから、大人になって。」 アキがルールを破ったことにより、オオカミに食われてしまった6人。仲間を助けるため城に入ったこころは、それぞれが抱えていた事情の記憶を辿り、“願いの鍵”に迫る。なぜ7人がこの城に集められたのか? 仲間たちは再び会うことができるのか? すべての謎が明らかになるとき、未来への扉がひらかれる――。7人とオオカミさまの1年間の奇跡、堂々完結。

かがみの孤城

原作ファンでしたが良かった

かがみの孤城 武富智 辻村深月
六文銭
六文銭

元々作家さんのファンだったこともあり、約4年前に本屋大賞受賞と同時に読んだ本作。 久しぶりに読んだこのコミカライズも、当時の思い出がよみがえり、とても丁寧かつキレイに表現されて大満足でした。 内容は、何らかの理由で不登校になった中学生7人が、部屋の鏡から通じる異世界のような謎のお城で出会い、あるゲームをするという流れ。 そのゲームとは、城の中にある「開かずの部屋」があって、その鍵をみつけるというもの。 しかも、鍵をみつけた人は何でも願いがかなうという。 城にいる狼姿の少女に招かれ、7人の冒険が始まる・・・と思っていましたが、「冒険」というか「人間模様」を描いた感じが本作のポイント。 上述のとおり、皆なんらかの理由で学校にいけず、城内でも似たような境遇から、時にこじれたり、時に支えあったり、ファンタジー要素がありながら、どちらかというと思春期の苦労を描いたヒューマンドラマの要素が強くて、ここが面白かったんですよね。 特に、いじめなどを苦に学校に行けなくなってしまった人が、城の中でできた人間関係(友人)を、自信や勇気に変えて、再出発する姿はグッときました。 また、ミステリー的な仕掛けも色々あって、例えば 7人同じ中学に通っていながら現実で出会うことができない とか 全員不登校だと思ったら実は1人、別に不登校ではない人がいた とか これらの、秘密が徐々に明らかになっていくストーリー展開は純粋に面白いです。 ネタバレされれば、すごくシンプルな展開なんですけど、 キャラクターがすごく魅力的だったからか、すんなり感情移入できてあっというまに読めてしまいます。 『この話が誰かの「城」のような居場所になればいい』https://booklog.jp/award/2018/winner/book という思いで、書いた本作ですが、 学校を行くことに悩んでいる人、またはその親はもちろんですが、それだけでなく人間関係に全般に不安を抱えている人に、希望を与えてくれる内容だと思います。 余談ですが、コミカライズの風花の設定が、現代風に変えたんでしょうかね。ここらへんが原作と少し違うかもです。