あらすじ

抗日義軍を率いて謝文東の元へ向かう途中、ウムボルトは父親が関東軍の過去のあやまちに加担した仲間であり、口封じの為に殺されていたことを知る。そして、謝文東と共に戦うことを決め満州軍を襲うのであった。作戦は成功したが、何のために戦っているのかわからなくなるウムボルト。その時、合気流柔術の師である植芝盛平が訪ねてくるのであった。
虹色のトロツキー(1)

幼い頃に記憶と家族を失った日蒙二世の青年・ウムボルトは、赤化運動の折、憲兵に捕まり拷問を受ける。しかし、関東軍参謀・辻政信によって釈放され、日本軍統治下の満州に建てられた建国大学に入学する事になった。そこで、ロシア赤軍を創ったトロツキーが父の知り合いであること、自分はトロツキーを招き入れる為に軍上層部の思惑によって学校に入れられた事を知らされる。旧満州を舞台に日本軍の政治的陰謀に巻き込まれながらも、強く生き抜く青年の物語が今はじまる。

虹色のトロツキー(2)

建国大学に通い続ける事に悩むウムボルトは、自らが育った町・通遼に帰省する。そこで、憲兵から大物赤化学生としてマークされている友人孫逸文(ジャムツ)、新京の銀巴里で歌姫をしていた麗花に再会する。そして、関東軍の動向が気になる彼らに、新京に戻り情報を流すように頼まれるのであった。新京に戻ることを決めたウムボルトの思いとは…。

虹色のトロツキー(3)

失われた記憶を取り戻すために、トロツキーと行動を共にしていたミリューコフに会うこと決めたウムボルトであったが結果何も聞けず、自らもユダヤの工作員に拉致されてしまう。連れ込まれた船から逃げる過程で、ジャムツに助けられたウムボルトは連れられるままに、抗日軍の村に行き、そこで抗日運動の指導者になるようと誘われる。そこにかつて拷問を行った憲兵が現れ…。

虹色のトロツキー(4)

抗日義軍を率いて謝文東の元へ向かう途中、ウムボルトは父親が関東軍の過去のあやまちに加担した仲間であり、口封じの為に殺されていたことを知る。そして、謝文東と共に戦うことを決め満州軍を襲うのであった。作戦は成功したが、何のために戦っているのかわからなくなるウムボルト。その時、合気流柔術の師である植芝盛平が訪ねてくるのであった。

虹色のトロツキー(5)

トロツキーを満州へ連れてくることに反対している安江仙弘は、ウムボルトにトロツキー計画の工作員をおびき出すために上海に行くことを持ちかけた。ウムボルトは、安江の犬としてではなく自らのために上海へ行くこと、その日まで興安軍の軍人として仕官することを決意する。しかし、それを聞いた麗花はどこかへ去って行ってしまうのであった。

虹色のトロツキー(6)

上海に着いたウムボルトは、安江から父親と会っていたトロツキーは偽者の可能性があったという驚くべき話を聞かされる。指示されるままに、ウムボルトが向かった先で見たものは、記憶の中に残るトロツキーと重なる者であり、そしてそれはトロツキーの持論を演説している偽者であった。何が真実であり、何を信じればいいのか分からなくなる魔都・上海で、ジャムツとふたたび再会することとなったウムボルトは、麗花の存命を知らされ彼の後をついてく。そしてまた別の場所では、交戦が起こり大事が始まろうとしていた。

虹色のトロツキー(7)

麗花を通遼へ連れ帰ったウムボルトは彼女との結婚を決意するが、出張を命じられた先の蒙古少年隊を率いる部隊と共に戦地へ赴くこととなってしまう。そして、ノモンハン事件と呼ばれる戦争へ巻き込まれていく…。ソ連軍の戦車の前に、関東軍戦車隊はほとんど通用せず、戦況は悪くなる一方であった。ウムボルトの少年隊員を死なせたくないという思いも空しく、事態は泥沼へ突き進んでいくのであった…。

虹色のトロツキー(8)

日本軍は兵数こそ多かったが、砲と装甲車両の数、質でソ連軍におよばなかった。次々と友軍が死に、一向に良くならない戦況の中、ウムボルトはウルジン部隊との連携を図るため、危険な伝令の任務に着くこととなる。蒙古少年隊や、興安軍に見送られ旅立ったウムボルトはその途中で麗花に出会うのであった…。日本軍に翻弄されつづけた青年の辿った道とは?旧満州を舞台にした大作・堂々完結。