あらすじ

サトシ&チーコの、等身大なにわラブコメディ!万年ヘタレのサトシが「男」になる!?同棲をはじめて早1年。ついにプロポーズをキメようと、サトシは二人っきりの淡路島旅行を用意した。そして来る、運命のとき。直球勝負の大告白、そのゆくえは……!?
赤灯えれじい(1)

むっちゃ胸がアツくなる……大ヒット御礼・大阪純情ラブコメディ!!柳川サトシ19歳、地味でヘタレでフリーター。ガードマンのバイト中に、年上で金髪でケンカっ早いヤンキー娘・チーコに一目ぼれ☆こうなったら、ドツきドツかれ(ゲロ吐いてでも!)彼女につり合うカッチョい男に……なれるんやろか……?ためらう恋と、ぬくもりいっぱい。闇夜の赤灯(せきとう)に導かれて――ヘタレ男の青春が、はじまる!!

赤灯えれじい(2)

むっちゃ胸がアツくなる……大阪純情ラブコメディ!!将来未定のダメフリーター、サトシ19歳。カッチョいブチ切れヤンキー娘、チーコと恋仲になりました。大型トラッカーを目指す彼女に近づきたくて、髪もパツキンに染めました。バラ色の日々、残る課題は「童貞問題」のみ。ところがヤリチンの弟が「妊娠したかも!?」という彼女とともに帰宅して……!?急転直下、サトシは一人暮らしをすることに。どうなるラブ、どうなる将来!?

赤灯えれじい(3)

初体験……大阪純情ラブコメディ!!ついにやってきた童貞卒業のチャンス。ラブホにも入れず、泥まみれの車中大ゲンカに突入しちまったヘタレなサトシ&ヤンキーなチーコ。だけどお互い、好き同士。恋する目と目が合ったなら、なんだかムードが高まって……!?想定外の「クルマで××」、それが二人の初体験!!ガードマンにテキ屋にガススタに……バイトずくめの日々が、信じる心を紡(つむ)いでた。そんな初めての季節です☆

赤灯えれじい(4)

20歳の夜、サトシはついに(ヘタレなりに!)重大な決意を――!?笑って泣いて、青春しまくる大阪純情ラブコメディ!!ケンカ上等、将来の夢をビシッと持ってるチーコに対して、ヘタレ・フリーターのまま成人しちまったサトシ。周りから“不つり合い”だと言われつづけてきたけれど、「オレは男らしくなりたいねん!!」とついに決意!!秘密の告白を胸に秘め、チーコとふたり、行く先知らずの原チャ・ツーリングに飛び出すが……!?

赤灯えれじい(5)

ついに同棲をスタートさせた、チーコ&サトシ。季節は冬になりまして、恋人たちの時間――クリスマスに年越しに、バレンタインがやってきた!!初めての恋人に期待しまくりのサトシは、ベタな妄想が止まらない……。ところが愛するチーコは、ヤンキー上がりの唯我独尊(マイペース)!!おまけにバイトの切れ目ナシ!!日々を生きぬくことに精一杯な、まだ若すぎるふたり。胸がうずいてたまらない、大阪純情ラブコメディ!!

赤灯えれじい(6)

それぞれの“夢”を実現させるため、就職活動を始めたサトシ&チーコ。悪戦苦闘の連続に……!?しみじみ同棲したくなる、大阪純情ラブコメディ!!20歳男、フリーター。夢もビジョンも見つからなかったサトシだが、努力家のチーコに触発されて、「就職してチーコにプロポーズしたる!」と野望する!!一方のチーコも、夢の「大型トラッカー」になるために、野郎まみれの運送会社に乗り込むが――!?

赤灯えれじい(7)

恋をして、同棲をして、ケンカもして。対照的な男と女、チーコ&サトシの大阪純情ラブコメディ!!万年フリーター男・サトシが「風俗雑誌」にご就職!!しかしヘタレなサトシは、チーコに勤め先を打ち明けられない。サトシよ、それじゃあチーコが「彼氏が風俗通い!?」と誤解しちゃうのも……お前のせいじゃ!!トラッカー見習いのチーコと、不眠不休の働き男・サトシ。忙しすぎる二人は、もう一度ラブラブに戻れるのか!?

赤灯えれじい(8)

大人気御礼☆サトシ&チーコの大阪純情ラブコメディ!サトシが、ついに……!?就職した。ようやく仕事も一人でこなせるようになってきた。サトシはヘタレなりにもガムシャラに頑張ってきた――“ある目標”に向かって。そして今……勇気を振り絞(しぼ)る!!

赤灯えれじい(9)

サトシ&チーコの、等身大なにわラブコメディ!万年ヘタレのサトシが「男」になる!?同棲をはじめて早1年。ついにプロポーズをキメようと、サトシは二人っきりの淡路島旅行を用意した。そして来る、運命のとき。直球勝負の大告白、そのゆくえは……!?

赤灯えれじい(10)

サトシ&チーコのナニワ純情ラブコメディ!二人の同棲生活に「波乱警報」発令!?再会してはならなかった、元カレ&元カノ同士が……見つめ合ってしまった。謎のベールに包まれてきた、チーコの元カレ・ユーサクが登場!!一方、風俗雑誌の仕事がキマりつつあるサトシにも、思いがけない転機が……!?

赤灯えれじい(11)

山あり谷あり~のナニワ同棲ラブコメディ☆恋も仕事も不安だらけ!?先の見えない仕事、二人の将来etc.……サトシに不安が降りそそぐ!風俗誌の編集部からリストラされて、なんとラブホテル勤めになったサトシ。フロント業務はヒマだけど、空いた時間でホームページを作ってみたら……おや、ちょっといい感じ?一方その頃、チーコの元彼・ユーサクが、愛した女のまぼろしを追って、大阪の街をさまよっていた――!!

赤灯えれじい(12)

めっちゃ胸にしみてくる、大阪純情ラブコメディ!サトシ&チーコの同棲生活に、最大のピンチ!!あいつ(チーコ)の心は、もう新しい男(サトシ)のものなのか……!?過去の想いをぬぐいきれない、ムショ帰りの元彼・ユーサク。かつて同棲していたアパートの前に、チーコを呼び出してしまった。再会してはいけなかった二人。チーコとユーサクは、復縁してしまうのか?サトシはフラれてしまうのか?衝撃の展開!!!!

赤灯えれじい(13)

ナニワ純情ラブコメディ、ほろ苦すぎる新展開!!別れてしもた、サトシとチーコ……。どないなるんや、二人の未来は!?チーコが、ムショ帰りの昔の男(ユーサク)とラブホテルに入ってしまった。オレには、許せなかった――。同棲を解消し、仕事も辞めて、抜け殻状態になったサトシ。憎きユーサクの居場所をつきとめるのだが、仇(かたき)のはずの彼にもまた、心に決めた想いがあった……!!

赤灯えれじい(14)

サトシとチーコの大阪純情セレナーデ!!悩んで、もがいて、苦しんで――。不器用なくらいまっすぐな二人の恋愛、新局面!!憧(あこが)れの大型免許は取ったけど、オトナの事情で「大型・長距離トラッカー」になる夢が保留になってしまったチーコ。サトシと別れ、ケータイの電源も切り、原チャで放浪の旅に出ることに。あてもなく、地図も持たずにどこへ行く……!?出た目勝負の「ルーツ探しの旅」、感動いっぱいのスタート!!

赤灯えれじい(15)

お別れするのはホンマ寂しいけど……サトシとチーコの大阪純情ラブコメディ、ついに完結!!「放浪中のチーコは、新潟・寺泊にいるらしい」――。なんとかヨリを戻したいサトシはさっそく駆けつけようと行動開始。よりにもよってチーコの元彼・ユーサクとバイクに“2ケツ”で行くハメに……。道中ギスギスしながらも、ハプニングを乗り越えて目的地へと急ぐ「恋敵」の二人。チーコと再会できるのか?そして、恋のゆくえは……!?

赤灯えれじい

時間に接近する漫画たち

赤灯えれじい きらたかし
影絵が趣味
影絵が趣味

いまや漫画には、豊富なジャンルをして、ものすごい数のタイトルが存在しますけども、"時間"というものに接近していった漫画というのはあまり多くないような気がしています。 映画のジャンルのひとつに「ロードムービー」というのがありますけど、まあ、たとえば、主な登場人物が三人いて、オンボロな車でハイウェイを旅している、と。90分なり120分の上映時間のなかで、いくつかのなだらかな展開があり、映画が幕を閉じるときには、三人の関係性が当初とは変わっていた。というときに、その映画は過ぎてゆく時間というものに接近していると思うのです。 ところが、漫画においては、映画においては王道のひとつとさえ言えるロードムービー的なジャンルがふしぎと存在していないんです。むしろ、漫画は永遠に小学三年生を繰り返す『ちびまる子ちゃん』のように時間から遠ざかってゆくのを得意としているらしい。漫画で"時間"を描こうとした『刻刻』が時間を止めるというところに行き着いたのも示唆的だと思います。 そんな状況のなか、時間に接近していった数少ない漫画のひとつに、きらたかしの『赤灯えれじい』があると思います。いきなり原付バイクで富士山に行ってしまったり、まあ、たしかにロードムービー的ではあるんですけど、登場人物をバイクで旅させたからといって時間に接近したことにはなりません。そういう意味では、漫画においても、旅はつきものだと思いますが、どういうわけか漫画における旅は西遊記的な冒険になりがちです。コマは旅(冒険)における数々の展開を披露して、そこに時間を捻出してゆきます。往々にして漫画における時間というのは、このように流れてゆくものではなく、コマによって捻出されるものなんです。だからコマは時間を捻出することはできても、時間を過去に置いてくることはあまり知りません。コマは時間を副次的につくることはできても、時間そのものと出会うことは知らないんです。 そこらへん、きらたかしは普通の漫画家とは感覚がズレているのか、あるいは意識的にそうしているのか、その都度、その都度、時間を過去に置いてくるような描き方をしてしまう。これは大変なことです。彼の漫画は、漫画としては構造があまりにも異形なんです。 そのほか、時間に接近していると思われる漫画を挙げるなら、『ヨコハマ買い出し紀行』、『敷居の住人』、『げんしけん』あたりがそうでしょうか。このほかにも、こういった漫画があれば、ぜひとも教えてください。