矢作と挙式する瞳。阿久津との約束、連ドラ『夢の彼方』の撮影開始。これも大ヒットした。瞳のその後の作品は未定だったが、真紀の方は文芸大作『浪漫』の主演に抜擢される。白石は瞳を、ポルノ映画を撮っていた神林に引き合わせた。脚本に感動した瞳は、『どこまでも』に出演を決意する。TVの連ドラに出た矢作は、共演者の加奈と浮気した。それを週刊誌にスクープされ、ドラマを降ろされてしまう。映画『浪漫』と『どこまでも』は、共に大ヒット。しかし『どこまでも』の方が観客動員記録を伸ばし、主演女優賞は瞳が獲得した。だがその後作品に恵まれず、低迷が続く。一方干されている矢作は、丹張商事の詐欺商法に取り込まれていた。
子供の頃からの夢を叶えて国民的女優になるまでのサクセスストーリーというと聞こえがいいですが、主人公はかなりの策士なので悪女といった方がいいかもしれません…。20歳の時に共演者との嘘の熱愛疑惑を流されてしまい清純派のイメージを死守する手段として結婚したのには驚きましたが、これは大胆で面白い展開だと思いながら読みました。けれども2度目の結婚後に生まれた息子の薬物スキャンダルが原因で女優を一時的に引退し、更生させるまでの日々を感動のドキュメンタリーにして業界に復帰したのには流石にモヤモヤしました…。これを最後の山場にして「いい話」で終わるのはどうなんだろう。