私的漫画世界|白井弓子|天顕祭
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白井弓子は長い間,同人誌で活動をしてきた漫画家です。2005年に「天顕祭」の執筆を開始した時には同人誌活動のキャリアは20年に及んでいます。
「天顕祭」の原形はその10年ほど前に遡り,夜神楽のにぎわいと闇の濃さに着想を得て16頁のネーム(下書き)を描いたそうです。それをコミティアのワークショップに持ち込んだところ,大きな仕掛けがないとストーリーが生まれないと指摘されました。
私には原形となるネームがどのようなものであったのかは知る由もありませんが,16ページということから推測すると,「汚い爆弾」「浄化竹」「スサノオ伝説」は含まれていなかったと考えます。
それから10年後に本編4冊,番外編1冊を自主出版の形で発表しました。作品の総ページ数は約340ページに膨らんでいます。
白井は自薦の形でかって応募したことのある「文化庁メディア芸術祭マンガ部門」に応募し,2007年に同人誌作家としては初めて奨励賞を受賞しました。贈賞理由として「文化メディア芸術祭 歴代受賞作品」サイトには次のように記されています。