「好きだ。ケッコンしようぜ」酒屋の息子の大輔が、風呂屋の息子の河に告ってフラれ続けること二十年。今回もまたフラれると思っていたら、笑顔で「わかった。よろしくね」と告げられた。バカげたことに大輔は、その先のことを何一つ考えていなかったのだ。(緊張しすぎて、何も考えられん。うう…困った!)昔なじみの男たちが織りなす青春ワールド。※この作品は単行本版『近距離恋愛』に収録されています。重複購入にご注意ください。
大正五年、帝都・東京で、複数の小切手詐欺事件が起こる。被害に遭った店の近くでは、黒く染まったすみれが見つかっていた――。人の悪意を養分として育つ寄生植物「異客」を発端とする事件の解決に挑むのは、人を寄せ付けない美貌を持つ白菊と、本業歯科医の好青年・花守。大正ノワール探偵譚、コミカライズ開幕!!
「この娘はいずれ王を害する」…託宣を受け、静かな廟で生涯を終える筈だった鈴雪。しかし、幼い彼女の運命は流転する。王の手で強引に都へ連れ去られ――名ばかりの王后とされたのだ。時が経ち、離宮で美しく知性ある女性となった鈴雪が投げ込まれたそこは、陰謀渦巻く世界だった……。
――「彼」のような作品がつくりたい。ここは美術や工芸などを作るために創られた、寄宿舎つきの専門学校。普通科に通うマサタカは、課題が「ロマンス」の『箱庭』制作に奮闘していた。スランプを抱える中、頭を過ぎるのは、マサタカに大きな影響を与えた「彼」…国立ひろみの作品。幾何学的、それでいて感情が溢れ出すような彼の芸術は、普段は隠されている意志の強い瞳やミステリアスな容姿もあいまって、マサタカの心を強く惹きつけるのだった。表題作「ロマンスの箱庭」他、「先生の植物学」「魔術のあとさき」など4編の圧倒的世界観・伊東七つ生が紡ぐ、ただ一つの叙事詩――
最愛の母が死んだ。父の残した多額の借金を抱え、クリスは一人、広い屋敷で悲嘆の淵にいた。しかしそこへ手が差し伸べられる。蠱惑的な微笑を湛える彼の名は、ノアール。しかし彼は、穢らわしく冒涜的な饗宴をもたらす。阿片、売春、そして“人”と“もの”を掛け合わせて創る、享楽者の遊戯――“混一”。そんなことを知る由もないクリスは、今、享楽者の流刑地へ誘う手を、取ったのだった…。【収録内容】・第1話~第6話・あとがき・電子限定特典(漫画)
「好きだ。ケッコンしようぜ」酒屋の息子の大輔が、風呂屋の息子の河に告ってフラれ続けること二十年。今回もまたフラれると思っていたら、笑顔で「わかった。よろしくね」と告げられた。バカげたことに大輔は、その先のことを何一つ考えていなかったのだ。(緊張しすぎて、何も考えられん。うう…困った!)昔なじみの男たちが織りなす青春ワールド。
好奇心旺盛なコウシは、この町唯一の医者であるシダの元で医者見習いをしている。無愛想で誤解されがちなシダを尊敬し、精一杯尽くすコウシにとって自分だけがシダを理解できることが自慢だった。ある日、シダの元へ国の役人が訪れ「国につかえ戦争におもむけ」と通達する。突然の別れに打ちひしがれるコウシだったが、ある夜、隙を見て抜け出してきたシダと再会したふたりが選んだ道とは――
綾小路玲─…。頭脳明晰・容姿端麗、完全無欠の私立探偵。“華麗”に“ドS”に事件に挑む彼にはこんな呼び名がある。そう、“ドS探偵”と─……
市営公園で働いている平岸は、最近市役所から配属されてきた蓮池の存在が気になっている。ぶっきらぼうでお堅く、スーツで一人黙々と草むしりをする彼は、決して周囲に馴染もうとしない異質な人だった。そんな蓮池に根気よく話しかける平岸だが、彼は一向に歩み寄ろうとしない。しかし、台風から植物達を守るために共同作業をした夜、蓮池の言動が実はただ不器用なせいだったことを知って、より距離を縮めようとする平岸だが……。
地殻変動により、外界と深い溝で分断された世界の中で人々は日々を生きている。外に出る唯一の方法は、旧世代の手法を用いること。すなわち、かつて戦闘機として利用されていた特殊な鳥たち「ゼロ」の力が不可欠であった。生きる目的を持てずにいた日高ひふみは、ゼロに興味を抱き、パイロット登用試験を受験することを決めるが…!? “人”と“鳥”と“隣の世界”の近未来SFファンタジー!!