誰からも好かれるような好青年の吉野良二は、生霊を見たと噂される同じクラスの浅茅(あさじ)に思いを寄せられていた。そんな噂話を一蹴した良二だったが、ある夜、寝ている良二の元に浅茅が現れ…。あらぬ状況に、翌日から浅茅を意識してしまう良二だったが、良二には真理子という恋人がおり、それを知っていてなお近づいてくる浅茅の異常な言動に耐えかね、彼女を遠ざける。そしてある晩、良二は家に来ていた真理子を見送るが、翌朝、真理子は遺体となって発見されてしまう…。“生霊”をテーマに描く、ささやななえこのホラー傑作!!
1年間の交際期間を経て結婚した、まち子と靖夫。3年目を迎え、まだ子供なし。いくら愛し合って結婚しても、他人であった男女が一緒に暮らすと、見えなかった部分が見えてくるのは当たり前。最初は新婚ということで見逃していても、時が経つにしたがい、理想と現実のギャップが広がっていくことを痛感するまち子だが…。
サラという女性が86歳で亡くなった。彼女の住んでいた館は人気がなく、そこに目をつけたコソ泥のカードとジョーカーは、こっそり忍び込むことに。――だが、洋館には亡くなったサラの若き恋人・エドウィンが、使用人のリフラフと住んでいた。カードとジョーカーは咄嗟に、自分たちは旅行者で泊るところを探しているとウソを吐き、洋館を探ることにするのだが、ジョーカーはあまり気乗りしないようで…。果たしてこの洋館には何があるのか!?
高校3年生の道子は、幼い頃に祖母から「この家の厄を背負って生まれた子」と言われ、1歳下の弟・清美ばかりが可愛がられていたのを今でもはっきりと覚えていた。その祖母が亡くなり、葬儀に出席するのだが、そこで清美とは血が繋がっていないことを知ってしまう…。その清美と、空き家となった祖母の家で暮らすことになった道子だが、家に来てからというもの、不可思議な現象が立て続けに道子を襲う…!かつて祖母に言われたことと何か関係があるのだろうか?そして、清美が祖母から受け継いだものとは!?ささやななえこの描く、伝奇ホラーコミック!
幼い頃、いつも一緒に遊んでいた真生と別れ、東京に引っ越すことになった真貴子。お互い、相手のことを忘れないと誓って…。そして10年ほど経った頃、A大付属中等部の3年になった真貴子の目の前に、同じ学校の高等部に入学した真生が現れる!すっかり“男”に成長した真生は、またたく間に女子生徒の憧れの存在に。そして、そんな真生と親しく接する真貴子を羨ましく思うも、もてはやすクラスメートたち。だが、当の真貴子は、突然再会した真生に振り回されっぱなしで…!?
働くため、15歳の時に村を出て、35年の間に村に戻ったのは父と母の葬式の2回だけ。その故郷の村がダムに沈むことになり、結婚してから初めて故郷の村に帰ることを決めたよしこ。平凡な男と結婚し、育児や義父の世話に追われ、里帰りする余裕などもない日々に追われていた生活。それでも、帰る場所…故郷のことを思えば、頑張ることができた。だがその村が消えてしまう時、よしこは…。
結婚して3年の女流マンガ家の真奈は、夫・悦郎が、タバコ嫌いの酒嫌いと知ってはいるがやめられず、編集者との打ち合わせを兼ねた飲みですら、いい顔をされなかった。そんなある日、妊娠したことがわかった真奈は、禁酒・減煙を始めるものの、少しずつ変わっていく生活に不安を覚えていた。だが、8週目に入ったある晩、急に出血が止まらなくなり、真奈は救急車で病院に運ばれる。果たしてお腹の子供は…。家族をテーマに様々な“愛”を描く、ささやななえこの珠玉の作品集!
素直な気持ちを伝えられず、強がってばかりの乃里子。結婚すると嘘をついて会社を辞めることも、付き合ってる彼には伝えられなくて……。学生時代のガラスのペンギンを思い出し、ひとりつぶやく素直な気持ち。表題作を含む、5編の短編集。
巡航船が一日二便しかなく、現在は15人ほどの高齢者ばかりが住む、周囲8キロの国根島。ある日、島で働く父親に会いに訪れていた高校生の沙織は、遺跡を調べるため無断で島にやって来た大学生・河原建士の案内を買って出る。この島の人々は閉鎖的で、島以外の人間を受け入れないと建士に説明する沙織は、どこか監視されているような違和感も感じていた。果たしてこの島にあるのは、ただの遺跡なのだろうか…?
殺人・行方不明者が相次ぐ名門ロスター家。調査に赴いたカードとジョーカーを見つめるロスター婦人の視線、仮面の男の視線―。表題作他「サラの遺言」「霊送りの島」収録。心の奥底を震わせる恐怖コミック傑作集! ※弊社より配信の『ミノタウルス』『霊送の島(たまおくりのしま)』と一部内容が重複しております。ご了承のうえお楽しみください。
修学旅行で九州へやって来ていた、高校2年の近藤清美。彼が宿泊した旅館の庭には、「雨が降ったりすると血を流す」と云われる石が祀られいて、何か不気味な気配を感じる清美。だが、その石を面白半分で見に来た女子生徒と、清美に想いを寄せ、年増女の恋狂いと噂される保険教師代理の山上は、石が血を流すのを目撃してしまい…!?一方、修学旅行中の清美の部屋に入った姉の道子は、清美の剣が、何かを知らせるかのように鳴っているのに気付き…!?そして、物語は怒濤の展開へ…!!『たたらの辻に…』の近藤姉弟のその後を描いた、伝奇ホラーコミック!
急死した祖母の家で、二人暮しを始めた義理の姉弟の道子と清美。かつて“たたら場”だった祖母の家で、道子の身を次々と怪異が襲う――。表題作他「水面の郷・水底の守」収録。ささやななえこの傑作恐怖コミック集! ※弊社より配信の『たたらの辻に…』『水面の郷・水底の守(みなものさと・みなそこのもり)』と一部内容が重複しております。ご了承のうえお楽しみください。
女子大生の宮前珠々子は、好意を抱く緒形夜刀彦の少しでも近くに住みたいと、彼の家の隣にある一風変わった洋館風の下宿に引っ越した。ある日、その下宿に友達を招いた珠々子は、下宿の門に手をかけた瞬間、突然涙が溢れる。それが最初の前兆だとは、その時は気付きもせず…。そしてその夜、彼女は不思議な夢を見るが、翌日から珠々子の周囲で奇妙なことが起き始め…!?