あらすじでなかなか重たそうな話と思って読んだら、想像以上に重たかった。そして暗い。 都会の高級そうなマンションに見えて、近所付き合いはとても密そうで、息苦しそうで。ご近所ガチャに外れたら、どこでもこんな感じになるんだろうか。 夫の無関心も怖いし、浮気相手の話し方も「あなたが居なくなったら自分が住むところ」のように語るのも怖い。 漫画だから女性用風俗で派遣されてくるのは見た目がいい人だけかと思えばそうでもなく、派遣されてくる人も心の闇がありそうで。 祥示しか働いていないなら、アンケート?も形骸化していそう。 ブラックというか、アングラな。 どうなればこの人たちは救われるんだ?と考えたけど、救われないタイプの漫画だろうか。
夫の不倫、発覚。 からの女性用風俗。 もう最初っからドロドロスタートだけど描写が丁寧で先が気になります! もうこの嫁、女性用風俗の男性にハマる未来しか見えない。 そしてこの家庭がガタガタと崩れる未来しか見えない…!
こんなふうに描かれると、榎木津って漫画チックなキャラということがよくわかりますね。原作は京極堂が活躍する「百鬼夜行シリーズ」のスピンオフで、名探偵・榎木津が主役の短編シリーズ。「百鬼夜行」がどっしりとした本格推理ドラマなのに対し、こちらはライトテイスト。そしてこの漫画版はさらにコミカル度がパワーアップしていて肩ひじ張らずに楽しめます。元子爵の父親からの依頼で砧青磁を探すことに…ということで、瓶や壺の分類など小難しい話もあるにはありますが、メインキャラの個性が思っていた以上に強調されていて、それを見ていると細かい話はどうでもよくなります。しょっぱなから「このぐぶぐぶ魔人!!」と言い放ってる榎木津をはじめ、へらへらしている益田君、眼を合わせたら殴られそうな木場刑事、まるで置きものみたいな古物商の今川。そして京極堂は額にしわを寄せて口をひん曲げ、不機嫌さを絵に描いたような感じ。そんな連中がわいわいと事件を片づける。名探偵とその下僕による「これぞ探偵活劇」という雰囲気がたまらないです。
本格小説のコミカライズはたいていがっかりさせられます。なので本作を読むにあたっては少々慎重になりました。なにせ京極夏彦の傑作が原作。どうなることやらと思っていましたが…意外とうまくはまりました。事故で重傷を負い治療中の少女が忽然と消えた。事件の背後に絡みつく憑き物を落とすため、京極堂こと中禅寺秋彦が重い腰を上げる…と、端折ればこんな話ですが、本来は相当入り組んだストーリー。これを、ひと目見ればわかる漫画の利点を生かして、うまくまとめています。また描写で感心したのが、探偵・榎木津礼二郎の容姿。原作では超のつく美男子で、いまひとつイメージしにくかったのですが、なるほど少女漫画的なアプローチだとしっくりくるなぁと目からうろこでした。さらに思い切りの良さにびっくりしたのが、全5巻の3巻で犯人をばらしてしまうこと。で、残りの2巻はまるまる憑きもの落とし。読者の興味を冷ますことなく、ちゃんと見せ場へ導いてしかも枚数かけている。単純な推理小説じゃないこと、わかっておりますな。
あらすじでなかなか重たそうな話と思って読んだら、想像以上に重たかった。そして暗い。 都会の高級そうなマンションに見えて、近所付き合いはとても密そうで、息苦しそうで。ご近所ガチャに外れたら、どこでもこんな感じになるんだろうか。 夫の無関心も怖いし、浮気相手の話し方も「あなたが居なくなったら自分が住むところ」のように語るのも怖い。 漫画だから女性用風俗で派遣されてくるのは見た目がいい人だけかと思えばそうでもなく、派遣されてくる人も心の闇がありそうで。 祥示しか働いていないなら、アンケート?も形骸化していそう。 ブラックというか、アングラな。 どうなればこの人たちは救われるんだ?と考えたけど、救われないタイプの漫画だろうか。