二十歳になったら死ぬ子供…。そう予言された光陽(こうよう)が、間もなく二十歳を迎えようとしていた。予言を知らず、家の中に閉じ込められるようにして育った光陽は、祖父と約束した「二十歳になったら自由にしていい」という言葉を信じ誕生日を楽しみにしていた。しかしある日、光陽の前に美術愛好家の梁井(やない)と名乗る男が現れる。梁井は光陽を屋敷に呼び寄せ、「契約」を取り付けようとしてくる。「契約」の内容はとても屈辱的なもので、光陽には耐えられそうになかったが、「お互いが死なない為に必要なこと」だと言われ……。神か悪魔か…。謎の男に貪られてゆく…。
出版社に勤める敦彦は、人形作家・夏目錬三郎との仕事にうんざりしていた。溺愛する人形に瓜二つだという敦彦の顔に異常な執着を見せる夏目は、ことあるごとに愛を囁き身体に触れてこようとする。理解できない言動と人形恐怖症に悩まされる敦彦だったが、人形を壊してしまった代償として、夏目と寝てしまう。後悔する敦彦に対し、一途で天然な夏目の愛情は暴走し始めて……。
怠惰で我儘、甘い物好きで白くぶよぶよ膨れた「豚皇子」──。突然の落雷で、馬鹿にしていた男と身体が入れ替わってしまった!? 若き有能な宰相リドリーは敵国の皇宮で呆然!! 元に戻る手段もなく、国交断絶中の祖国には帰れない──。まずは命を護るため、腕の立つ騎士団長シュルツを護衛に任命するけれど!? 無能皇子が一夜にして聡明な戦略家に変貌する、入れ替わりファンタジー開幕!! ※口絵・イラスト収録あり
高校生の理人には二つの秘密がある。ひとつは一卵性双生児で双子の弟・類の心の声が聞こえること。実の兄弟にもかかわらず、類は理人を愛しており、聞こえてくる声はいつも自分への執着と欲望ばかり。家族として類を好きな理人は、彼を突き放すことができず一緒に登校し、夜は同じベッドでおやすみのキスを交わす毎日を送っていた。しかし、ふとしたことで類に秘密がバレたうえ、もうひとつの秘密の影も理人へ迫ってきて……!?
超のつく現実主義者の西条(さいじょう)と霊が視える憑依体質の歩(あゆむ)は、同棲中の恋人同士。ところがある日、頑なに霊を信じない俺様の西条が別人のように激変!? 「愛してるよ歩。食べちゃいたいくらい可愛い」まさか西条くんが変な霊に取り憑かれちゃった…!? 歩が霊能力の修行を決意する「キミと見る永遠」、その出立前夜を描く「別れの挨拶は短めに」など、甘くも波乱含みな日々が詰まった待望の番外編集v これまでに発表された番外編を完全網羅!! さらに新作掌編書き下ろし。 ※口絵・イラスト収録あり
天才的な津軽三味線の技と音色──加々美達央(かがみたつお)は無名の若手三味線奏者だ。地方の大会での達央の演奏に、青年実業家の浅井祐司(あさいゆうじ)は一瞬で虜に! その稀有な才能に心を囚われ、「君を必ず檜舞台に立たせる」とスポンサーを名乗り出る。成り行きで同居を申し出た浅井は、恋人にするような優しさで達央に接してくる。ところが、浅井を独占する達央を妬むライバルが現れて…!? ※本文にイラストは含まれておりません。
古い信仰が根強く残る閉鎖的な孤島で、7年ぶりに開かれる大祭――。人気ミステリー作家の串田寥生(くしだりょうせい)は、次作の舞台として興味津々。島の出身で担当編集者の神凪守(かんなぎまもる)は、密かに想いを寄せる串田に請われ、取材で島に向かうことに。ところが、そこで見たのは、実家と神社を繋ぐ隠し通路、祭壇に飾られた乳児の白骨…。守は帰りたい気持ちとは裏腹に、推理が冴える串田に想いは募り!? ※本文にイラストは含まれておりません。
妹が何者かに誘拐された!? 内野晶(うちのあきら)への犯人からの要求は、「おまえの親友の明石章文(あかしあきふみ)の結婚を阻止しろ」ということ。なぜ、解放の条件が親友の結婚と結びつくのか? かつて高校時代に、章文に告白され振ってしまった晶。罪悪感を抱きつつも「好きだ」と嘘をつき、婚約破棄を迫るしかない。ところが、なんと章文は婚約を解消! 「恋人なら抱かせろ」と貪るようなキスをしてきて!? ※本文にイラストは含まれておりません。
ベッドしかない密室に、全裸で監禁されてしまった!? 鷺尾要(さぎおかなめ)が目覚めた時、隣には同じく全裸で眠る同僚の長瀬亮二(ながせりょうじ)が!! しかも、手錠で繋がれて離れられない。日頃から、からかうように口説かれていた要は、実は亮二が嫌いだった。いつ犯されてもおかしくない状況に、警戒心を募らせる要。一体、誰が何のために仕組んだのか──。眠ることすら許されない、絶体絶命スリリング・ラブ! ※本文にイラストは含まれておりません
「これから6年間、息子の性欲処理の相手をしなさい」。両親の借金の形に、13歳で大富豪・綿貫家に売られた氷野春也(ひのはるや)。同い年の一輝(かずき)は、人に命令し慣れた態度で春也を物扱い。口と手で一方的に行為を強要してくる。ところが、全寮制の高校で同室になって以来、なぜか春也にキスや愛撫をするように…。一輝の態度が変わったのは一体なぜ?理由がわからないまま、契約終了を告げる卒業の日が迫り――!?※本文にイラストは含まれておりません。
フランスを拠点に活動するカメラマンの的場喬一(まとばきょういち)。撮影のため一年ぶりの帰国で偶然再会したのは、人気上昇中の新人俳優・高瀬義隆(たかせよしたか)。高校時代から付き合っている遠距離恋愛中の恋人なのに、喬一はわざと帰国を知らせない。そのつれない態度に翻弄される義隆は、苛立ちつつも執着を募らせる。思いつめた義隆は、「俺はお前がいなきゃ駄目なんだ!」と、思い通りにならない喬一を監禁してしまい!?※本文にイラストは含まれておりません。
10年前に死んだ弟がなぜ目の前に――!? レストランのオーナー・矢上(やがみ)が出逢ったのは、店で働くギャルソンの瑛司(えいじ)。綺麗で儚げな容姿は生き写しでも、瑛司の明るく快活な性格は弟と正反対だった。未だ弟の死を悔やむ矢上は、別人だと頭では否定しながらも瑛司に惹かれていく。そんなある日、矢上は瑛司への想いを抑えられず抱いてしまうが…!? この腕の中にいるのは誰?――ミステリアス・ラブ。 ※口絵・イラスト収録あり
俺のすべてをお前に捧げる──高校生の相馬啓は、よく不思議な夢を見る。薔薇の咲く庭と、自分に微笑みかける金髪の美貌の男。男は追いつめられ、自分に死を求めるのだ…… その男は、啓が通う高校の美術講師とよく似ていた。彼は他の生徒には優しいのに啓にだけは冷たく、忌々しいものでも見るような視線を向けてくる。それなのに、彼がそばにいるだけで啓は不思議な高揚感に囚われてしまうのだ。ある放課後、怪我をした啓の手当てをしてくれた彼は、不可解な行動をとり──…… そしてその夜、啓の部屋を訪れた彼は、啓に強引に迫り!? 守る者と守られる者。薔薇を持つ男たちの運命の輪が回り始める──!! ※本作は過去に配信していた「薔薇の刻印」に挿絵を加えたものです。ストーリーに変更はございません。
プロの若手バイオリニスト・刈谷充にとって、特別な火曜日だった。今日は、オケのコンマスを務める友人・南大智と合同練習の日だ。清廉潔白な大智と独創的な充。正反対の二人だが、音楽への情熱は同じくらい熱い。その上、大智は充のことが好きらしい。三年前に酔って大智の部屋に泊まった夜にキスされたのだ。いい加減な充と違って、大智はキス一つで悩み苦しむ繊細な男だ。友情を壊したくなかったから、今までずっと大智の気持ちに気づかないフリをしてきたが――?
有名バイオリン奏者・紀ノ川滋の行動を監視しすること。──それが良麻に科せられた使命。紀ノ川の想い人そっくりの顔になり音大に潜り込んだ良麻。紀ノ川に近づき、マネージャーの仕事も任されて、親しくなることに成功するが、良麻の心は揺れていた。何故なら彼は、ずっと憧れの人だったから。別の誰かに心を奪われるくらいならいっそ身代わりでもいい、抱いてほしい──。天才バイオリニストと音大生。切なくも狂おしい恋物語。
高校の音楽講師を務める元バイオリニストの和成。不慮の事故で弾けなくなった和成は教え子である真吾の類まれなる才能に惚れこんでしまう。ある日、和成は、父親からの虐待に苛立つ真吾を預かることになった。「先生の身体、触りたい」 教師として尊敬されているだけだと思っていた。突然無口な真吾に飢えた獣のように激しく求められて、和成は戸惑う。しかし愛を知ることによって、真吾の才能を更に伸ばせるからと偽りの愛情を与えてしまい…。
親の遺した喫茶店のマスター・三沢玲人は、過去に関わった凄惨な事件以降、自分は他人と接することが苦手で恋愛ができないと思っていた。しかし玲人は、何かと世話を焼いてくる大学生のバイト・鳥羽秀一だけには心を許していた。ある晩玲人は、酔った鳥羽に抱かれてしまう。鳥羽の熱い気持ちにほだされて身体だけの関係が続くが、過去の事件が玲人を再び臆病にさせて…。
「五年間好きでいてくれたら、お前のこと好きになるよ」高校時代に八木に告白されて裕紀はそう答えた。これをきっかけに二人の友人付き合いが始まる。役者の道を志したバイト生活の裕紀に八木はご飯を作り励ましてくれた。いつしか実直で優しいその男は裕紀にとって、かけがえのない親友になっていた。そして五年後。ずっと裕紀を想い続けてきた八木から二度目の告白をされる。恋人は嫌だが八木と離れたくなかった裕紀は、キスや愛撫を受け入れてしまい…。
見た目は凛々しい青年だけど、頭の中身は小学生男子!? 人間と鬼の間に生まれた半妖の草太(そうた)は、人間社会に溶け込むため、当代一の陰陽師・安倍(あべ)那都巳(なつみ)の住み込み弟子をすることに!! 妖魔退治を手伝ったり、お供としてTV収録に同行したり…。好奇心旺盛だけど未成熟な草太に想定外な欲情を煽られて、那都巳はついに性の手ほどきまでしてしまい!? 純真無垢な小鬼と腹黒陰陽師の恋模様!! ※口絵・イラスト収録あり
【電子限定版】書き下ろし番外編「あの日の君」収録。●満月の夜ごと百鬼夜行が訪れ、妖怪に襲われる──その標的は八百比丘尼(やおびくに)の血を引く肉体!? 代々続く陰陽師で、妖怪に付き纏われる人生に膿んでいた櫂(かい)。無限の連鎖を断ち切るには、身を守る式神が必要だ──。そこで目を付けたのは、数百年間封印されていた最強の人喰い鬼・羅刹(らせつ)!! 「今すぐお前を犯して喰ってしまいたい」解放した代わりに妖怪除けにするはずが、簡単には使役できなくて…!? ※口絵・イラスト収録あり
夥しい血の跡だけを残した遺体無き連続殺人事件――その真犯人は、人を食らう『蟲(むし)』だった!? 謎の事件を追う警視庁捜査一課の刑事・飛留間七生(ひるまななみ)が出逢ったのは、特別捜査官の水雲(もずく)。エリート然とした態度とは裏腹に、なんと水雲は日本刀を繰り蟲を退治する使命を帯びた異能力者!! 七生の隠された能力をも見抜いた水雲は、驚く七生に「俺と共に闘ってくれ」と迫ってきて!? ※本文にイラストは含まれておりません。
「俺、やっとわかった。お前が好きなんだ」17歳の高校生・嶋中圭一は、毎朝、従兄弟の徹平と共に登校する。最近はクラスメイトで生徒会長の高坂則和と電車で一緒になることも多かった。その朝も、圭一はいつものように高坂と一緒になった。ただ、一週間前のある出来事以来、圭一は高坂のことを強く意識するようになっていた。密着する身体をこのままでいたいと想ったり、離れたいと願ったり… だが、平穏なはずの一日は不穏な何かに包まれ!?
神の子の役目とは、王子と交わること──!? 高校生の海老原樹里にはコンプレックスがあった。それは黙っていれば完璧と言われる外見の美しさだ。男で綺麗だなんて、いいことはなにもない! そう考えて幼い頃から武道を学んだ結果、同年齢相手の喧嘩なら負けない自信がついた。ところがある日、学校の行事として湖に落ちた樹里は、見知らぬ世界に連れていかれてしまう。そこで、特別な存在である神の子として、王子や神官たちと一年過ごすことになり!? 夜光花&奈良千春による壮大な物語、ついに開幕!
兄弟というのはそれほど いけないものだろうか──大学生の磯貝誠は、異母兄で人気俳優の尚吾とふたり、故郷である四国を離れ、東京で暮らしている。過保護なくらいに誠を溺愛している尚吾と、弟でありながら兄を守りたいと思っている誠。ふたりはまるで恋人のように仲のいい兄弟だった。そんなある日、誠のもとに幼馴染みからハガキが届く。それがすべての始まりだった……ずっと押し殺してきた想い。兄弟として超えてはならない一線。故郷に隠された忌わしい秘密とは……!? ※本作は過去に配信していた「堕ちる花」に挿絵を加えたものです。ストーリーに変更はございません。