約30年前の作品なので違和感を覚える点も多々ありますが、LGBTや家族のあり方など現代にも通ずるテーマが描かれています。 ごく普通の女子高生が、父親の再婚相手の弟と暮らすことになり恋愛や家族関係など悩みながら本当の愛に気づいていくお話。 心と体の性別が違う人や恋愛対象が同性の人もいるということはわかっていても、つい自分のものさしに合わせて話をしてしまうことがあります。 この作品の主人公も差別意識があるわけではないのですが(現代の価値観に合わせるとアウトだけど)無意識の言動で人を傷つけている場面があり、かなり身につまされます。 自分と他者の違いに気づくこと、相手を尊重すること、形にとらわれないこと…くりた陸先生らしい爽やかで暖かい視点で大切なことを教えてくれる作品です。
闘病記であり遺作でもあります。がん発覚から溶解まで、そして再発を描いた2作品が収録されています。おそらく雑誌掲載後、単行本発売前に亡くなられたのだと思いますが、作品の完成度には全く体調不良を感じません。しかし単行本の帯には左目の視力を失いながらも描き上げたとの記載がありました。最近では一般の方も闘病記を漫画にしてネットで公開されていますが、やはりプロは違うと感じる読み応えでした。薬の副作用で髪の毛が抜け始めたくりた陸先生が自分の漫画にも同じ境遇のシーンを描いたことがあったけど何にも気持ちを分かってなかったんだ…と語られていたのが切なかったです。
都会から田舎に引っ越してきた超偏食の少女・未来が、誰も残さない給食を作る男・健さんとの出会いをきっかけに食べる喜びを取り戻していくストーリー。 食べる喜びを学ぶうちに、クールで無愛想だった未来がキラキラした笑顔を見せるようになります。友情や恋愛を通して、真っ直ぐ成長していく未来の姿がとても眩しく思えます。 未来が偏食の理由が家庭環境にあったり、引っ越しの理由はいじめだったり、更にいじめにあっていた理由がかなり衝撃的だったりとシリアスな背景も描かれています。未来だけでなく健さんも大きな傷を抱えています。 しかし、重たいだけ暗いだけの話にせず大きな愛と優しさで包み込むのが流石くりた陸先生だなと思いました。 美味しいご飯が食べられたら幸せ。大切なひとが生きていてくれたら幸せ。当たり前の幸せを忘れなければ、辛いことも乗り越えていける。 優しくて力強い愛を感じる作品でした。
くりた陸さん(お亡くなりになってしまいましたが)大好きでした!! 特にこの『ゆめ色クッキング』が好きで、よくコレ読みながらご飯とかおやつとか作ってましたね。 一番好きなエピソードは“虹色クレープ”です。自分では作れなかったけどシュワシュワのゼリーが美味しそうでどんな味か想像出来なくて…。食べてみたかったなぁ…。 南野さんと芹香ちゃんの恋愛も可愛くて良かったです。 久々に全巻読み直し出来て良かったです。
いじめが原因でおばあちゃんの家がある田舎の小学校に転校した未来は、最初可哀想な女の子という印象でした。しかも好き嫌いが激しい偏食ときているから給食の時間も大嫌いで、体も痩せているという問題もある。でもそこで出会った給食のおばさん、ならぬおじさん(超イケメン)人に、キュンキュンときめいたことで好き嫌いがなくなる!?という展開です。 小学生が大人に恋をするという恋愛の話がメインですが、育ち盛りの子どもたちの心と体の悩みにも向き合っていくというテーマがあると思います。 未来と健さんがどうなるのか、想像以上に感動のラストでした。
母親を事故で亡くし、主人公と小さい妹とお父さんの3人で暮らしているお話なんですが、とにかく泣けます。お父さんが仕事の間は、杏が母親代わりになり桃の世話をします。まだ遊びたい盛りの歳なのに、妹の世話があるから遊びにも行けない、家事もやらなきゃいけない。失敗をやらかしたりで妹に対して気持ちが爆発することも。けど妹が可愛いくて、結局許してしまう杏にすごく感情移入してしまう。登場人物がみんな良い人でほっこりします。誰が読んでも楽しめる漫画だと思います。
若干16歳の高校生・理乃が、23歳の売れない役者と同棲するという恋愛ストーリーです。最初は、よくあるカップルのお話でしたが、ヒロが売れ始めてから色々なすれ違いが起きてきて、ハラハラドキドキな展開になります。当時小学生で恋愛がよくわかっていなかった時期に読んでましたが、絵柄がとにかく可愛くて、エッチで、とてもお気に入りの漫画でした。
齢32歳にして、JKを尊敬し憧れてしまった…!! 料理が大得意で性格がよくて可愛くて人のことばっかり考えていて全然嫌味がなくて案外辛辣なことも言えたりしていつも明るくて…こんなもの凄いスペックなのになんかその辺に居そうだし友達になれる気がしちゃうのが芹香ちゃん。 2人の年上男性の間で揺れる心も描かれるけど、そりゃまあこんな女の子みんな好きになる。わたしも芹香ちゃん好き好き結婚したいし芹香ちゃんになりたい!! 若くして料理を志す子はみんないい子なんですかね、ソースは将太の寿司とこの作品だけだけど(ミスター味っ子もギリ) 一気に最終巻まで読んでからクチコミを書こうかなと思ったけど、芹香ちゃんの揺れる気持ちを味わいたくてゆっくりゆっくり読んでみている。こんな気持ちはじめて。 最終巻でわたしと結婚してくれないかな芹香ちゃん。好き。一緒にご飯つくりたい。
約30年前の作品なので違和感を覚える点も多々ありますが、LGBTや家族のあり方など現代にも通ずるテーマが描かれています。 ごく普通の女子高生が、父親の再婚相手の弟と暮らすことになり恋愛や家族関係など悩みながら本当の愛に気づいていくお話。 心と体の性別が違う人や恋愛対象が同性の人もいるということはわかっていても、つい自分のものさしに合わせて話をしてしまうことがあります。 この作品の主人公も差別意識があるわけではないのですが(現代の価値観に合わせるとアウトだけど)無意識の言動で人を傷つけている場面があり、かなり身につまされます。 自分と他者の違いに気づくこと、相手を尊重すること、形にとらわれないこと…くりた陸先生らしい爽やかで暖かい視点で大切なことを教えてくれる作品です。