校舎のうらには天使が埋められている
こわくてサスペンスでちょっとだけ百合
校舎のうらには天使が埋められている 小山鹿梨子
mampuku
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 第1話から恐ろしいいじめの嵐が吹き荒れ、読み進めるほど(しかもかなりのハイペースで)絶望が深まっていく。この物語に希望はないのかと思われた矢先、2巻でついに真の主人公が現れる。これまでの悪意がどろりと渦巻くホラーから、光本菜々芽という聡明で高潔な少女がクラスの悪意を束ねる"白い悪魔"蜂矢あいと対峙する構図へと変貌をとげるのだ。 (これを読み返して気づいたのですが「校舎の天では悪魔が嗤っている」の作者・蜂矢あいというのは「校舎うら」の彼女の名だったんですね)  ときに大人すら欺き利用し、勇気ある告発者をさらなる悪意で踏みつぶす。いや~~蜂矢あい、悪役として完成度高すぎて小学生とは思えない!wいっそ格好いいとすら思えてしまう。相対する光本菜々芽もイケメンすぎる!そんじょそこらのヒーローよりかっこいい…  間違いなく思うのは、「この先どうなってしまうんや!??」と頁をめくるスピードを速めるにはキャラクターを好きになるのが一番いいということ。とりわけこの「校舎うら」は、冷静に俯瞰しながら作品の粗削りなぶぶんを見とがめつつ読むよりも、思いっきり感情移入して没入しながら読んだほうが絶対に面白い。