近藤ようこ先生の坂口安吾原作シリーズの第2弾。後書きによると原作は坂口安吾ファンに人気があるそうです。前作「夜長姫と耳男」と同じく残忍な美女に振り回される男の話なんですが、こっちの方がもっとグロテスクかも…。不気味だけどなぜか見惚れてしまうシーンの連続で、これは原作でどう表現されてるのか読み比べてみたくなりました。これから桜を見たらこの話を思い出しそうです。
近藤ようこ先生の坂口安吾原作シリーズの第1弾。人の2倍は大きい耳をした仏師の男がライバル達と競い合いながらお姫様の為に弥勒菩薩を彫ることなるのですが、そのお姫様というのが虫も殺さないような可愛い顔をしてるのに実はとても残忍な心を持っていて、危害を加えられた仏師の男はこっそりと復讐を企てることにしたのです…。史実にもブラッディメアリーみたいな怖いお姫様が存在しますが、近藤ようこ先生が描かれた夜長姫は神々しさまで感じられました。
なんと!ずっと未完だったけど12年後に最終話が描かれて完結した作品だそうです。単行本の帯は盟友・高橋留美子先生が書かれているし読む前から私の期待値は上がりまくっていましたが、それでもすっごく面白かったです。 狼に育てられたワタルと記憶を失くしてしまった鏡子が旅をしながら物の怪や不思議な事物に出会う物語で、1話1話が珠玉なんですよ!ワタルと鏡子のキャラクターもすごく魅力的で読み終わった後も2人のことが心から離れません。これは描き終えるのに12年かかったのも大納得です。 あとがきでは近藤ようこ先生の漫画に対する想いと、先生にとっても「水鏡綺譚」は特別な作品であることが語られていました。
表紙がすごくカッコよかったので手に取りました。内容は坂口安吾の小説をコミカライズしたものになります。原作小説が発表された当時はGHQから大幅に検閲された影響もあって評価はあまり高くなかったそうですが、近藤ようこ先生は2001年に講談社文芸文庫から出版されたGHQ無削除版を元に漫画にされているのでパンチがすごいです。まず「夜の空襲はすばらしい」から始まります。 戦時中にどうせ日本は負けるんだと思いながら生きていた男女がいて、二人は夫婦同然に暮らしてるんだけど、戦争が終わったらこの関係も終わるんだろうってお互いに心の中では思っている。女は貞操観念にダラしなくて、でも不感症で、男は全部を知っていて一緒にいたけど、戦争が終わりを迎えて…という話です。 読んでいて理解はしていると思うんですが言葉にするのが難しいですね。改めて読み返してみたら、あとがきに「青林工藝社に漫画化のアイディアを承諾してもらってから完成までに6、7年かかっている」と書かれていたのに驚きました。でも、こんなにすごいものはそれ程の年月がかかって当然だと思います。
近藤ようこ先生の坂口安吾原作シリーズの第2弾。後書きによると原作は坂口安吾ファンに人気があるそうです。前作「夜長姫と耳男」と同じく残忍な美女に振り回される男の話なんですが、こっちの方がもっとグロテスクかも…。不気味だけどなぜか見惚れてしまうシーンの連続で、これは原作でどう表現されてるのか読み比べてみたくなりました。これから桜を見たらこの話を思い出しそうです。