2013年、江ノ島に邪神が上陸した。いまや鎌倉周辺は“異界”と呼ばれる特異地域と化している。誰もが狂気に陥る中、怪異専門の心理士だけが正気を保とうとする人々の救いだった。無免許にして謎の心理士、島野偃月(しまのえんげつ)は「怪異を欲しているのは人間の方である」という信条を元に、邪神が引き起こすおぞましい事件を人の愚かさを暴きながら解決していく。彼と邪神に魅入られた人々が織りなす本格怪異譚。