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レオナ・ロイヤル・ロード
大いなる目標へと至る道を歩こう #1巻応援
レオナ・ロイヤル・ロード 杉谷庄吾(プロダクション・グッドブック)
兎来栄寿
兎来栄寿
『パルワールド』が物議を醸しつつ発売1週間で1000万本に迫る超絶的なセールスを叩き出し、実に14年ぶりの最新作となる『風来のシレン6』が発売し、『龍が如く8』も発売となって明日は『グランブルーファンタジーリリンク』も満を持してアーリーアクセス開始と今日も盛り上がっているゲーム業界。 ゲーム大好き兎来さんな私ですが、それら全てを我慢して土日も仕事に励んでいます。 そんな今週末ですが、杉谷庄吾さんの『ニャリウッド!』2巻と新作『レオナ・ロイヤル・ロード』が2冊同時発売されました。もう、これだけで最高にハッピーな週末と言えますね。 『レオナ・ロイヤル・ロード』は、ひきこもりゲーマーだった少女・汰糸(たいと)の下に「レオナ・ロイヤル・ロード」というゲームの世界のお姫様がやってきてゲーム作りへと導いていく物語です。 こと「創作」に関して杉谷庄吾さんが描くものに間違いがないことは『映画大好きポンポ』さんシリーズに触れたことのある方であればご存知でしょう。本作でも創作論的な部分の熱さと面白さは健在で、そこに主要キャラクターたちの感情がしっかりと乗せられています。 タイトルにもなっている「ロイヤル・ロード」は「大いなる目標へと進む道」「幸せになる道」として規定され、この現実世界で誰しもが歩むことができるそれぞれの道として示されます。読めば、あなたにとってのロイヤル・ロードを改めて見つめ直すきっかけになるかもしれません。それは、もしかしたらどこかで諦めたり妥協してしまっていたりした道かもしれませんが、汰糸が覚悟を持って踏み出す姿には勇気を貰えるでしょう。 そして、その道が決して甘くないことも描かれます。失敗して、落ち込んで、どうしようもなくなるときの最悪な気分。しかし、それすらも自分が本気で頑張ったからこそ得られる感情で、魂の燃料ともなるかけがえのない宝物なのだと成長した汰糸に言わせるところは最高です。 ゲーム作りの部分でも個人的には共感しました。ノートにたくさんの世界設定や武具や魔法や必殺技や敵味方キャラのステータスを夢中で書き殴っていた過去を思い出します。この作品の世界ではSteamならぬSPARKというプラットフォームがありますが、自分の作ったゲームが世界に出てほんの少しでも誰かに遊んで楽しんでもらえたら、その喜びといったらないでしょうね。 ゲーム作りはもちろん、ものづくりに興味のある方、行き詰まっていた人生を打開していく物語を読みたい方にお薦めです。
ニャリウッド!
創作で最も大事なのは◯◯と◯◯だ! #1巻応援
ニャリウッド! 杉谷庄吾(プロダクション・グッドブック)
兎来栄寿
兎来栄寿
映画化され、その映画がテレビ放映もされて『映画大好きポンポさん』の素晴らしさを知る人がますます増えていることが非常に嬉しい今日この頃。 「ポンポさんの新作が来ったぞー!」 というわけで、本当に今度こそ新作を出すつもりはなかったそうなのですが諸般の事情により描かれたという新作にして新シリーズ『ニャリウッド!』が発売されました。巻数表記もあり、今後も続いていきそうなのは非常に嬉しいです。 読む順番に関しては、作者の杉谷さんが直々に解説されているのでシリーズ初読の方は参考にしてください。 https://twitter.com/pompothecinema/status/1630703345680920576?s=46&t=o8eGKefj56WcuC_a_1RGww 『ニャリウッド!』1巻のサブタイトルは「映画大好きマズルカちゃん」ということで、前作(『映画大好きポンポさん』3巻)の最後で「映画撮るのって楽しすぎる……」と、自分でカメラも撮れる映画監督になりたいと志したマズルカを主軸にした物語となっています。 『ポンポさん』シリーズは常に最高で大好きなのですが、やはりセリフが良いです。そして、それがそのままキャラの魅力にも直結しています。 ″自分に自信が無い奴は心に余裕が無いから 失敗する事が何よりも怖い 他人にカッコ悪い姿を見られるのが何より怖い だから何も行動を起こさない 何もしなけりゃ何も失敗しねえからな そういう奴から見れば夢に向かって 突き進もうとするオメーの姿は 我が事だという自覚の有る無しにかかわらず 臆病で守りに入った自分の生き方を 真正面から糾弾されているようで腹が立つ… というより怖いんだな だから自分の不安を打ち消すために 上からの立場でオメーの夢を全否定するんだ 無意識のうちに脊髄反射でオートマチックに 人の夢をバカにするようなつまんねえ連中は 全ての責任は何もかも絶対他人の中にあると思い込まないと 自分の人生が格好悪い失敗作だと 自分で気付いちまうからな″ といった本質を突いたものや、 ″他者の介在しない世界で 自らが定めた目標に向けて自らを研鑽する それこそが「本物の自由」よ 本能のままに生きる事が出来ない動物と違って 人間は…人間だけが自由に…自らの意志によって 自らの命の価値を高めることができるのよ″ という魂を熱く燃やしてくれる名言が本作でもガンガン出てきて心に響き渡ります。読者に響くセリフは、当然作品の中のキャラクターたちにも響いて気持ちよく駆動してくれます。 マズルカが初めて取り組む脚本執筆という作業に悪戦苦闘し、もがき苦しみながらも少しずつ前へ進んでいく姿、ビビが真っ直ぐな気持ちで愚直に努力して成長していく王道感も熱いです。そして、遂に到る「創作で最も大事なのは◯◯と◯◯だ」という境地。そこで行われるのは物語を□□ということ。痺れました。その詳しい内容は、ぜひ読んで確かめてみてください。 作中でさまざまな創作論が出てくるのも健在。下手な創作論の本を読むよりも、『ポンポさん』シリーズを読破する方がよほど勉強になりモチベーションも湧く気がします。私も今温めている脚本を気合いを入れて書き上げたくなりました。 そして、書き上げた暁にはウインナー入りチーズグラタンを食べたいと思います。
クロスバーストハニーハニー
大丈夫、杉谷庄吾さんのお嬢様eスポーツだよ。 #1巻応援
クロスバーストハニーハニー 杉谷庄吾(プロダクション・グッドブック)
兎来栄寿
兎来栄寿
『映画大好きポンポさん』シリーズでお馴染みの、杉谷庄吾さんが描くお嬢様学校を舞台にしたeスポーツマンガが爆誕しました。 『ゲーミングお嬢様』や『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』がますます盛り上がり、そして期待の新星Vtuberとして壱百満天原サロメ嬢がバズりにバズっているこのタイミングで、杉谷さんによるお嬢様eスポーツ。こんな鉄板な作品があるでしょうか。 ゲーム部の施設が整った朝日星学園。 ゲーム初心者でありながら、とあるゲーム向けの能力が異常に研ぎ澄まされている冨永ヒマワリと、とプロゲーマーを夢見る迅御(はやお)ルナが出逢い、寮も同室であると判明するところから物語は始まります。 「ゲームは遊びじゃない!」と豪語するルナに「ゲームは遊びでは?」と返すヒマワリに対しての 「命を削って磨き上げた技術と知識!!  これほどまでに自分の人生における信念と努力と時間を賭けてしまったからには  もう誰にも負けられないという不退転の執念が結晶化された譲れないプライド!!  ……本気でゲームで戦うっていうのは  プレイヤー同士がお互いの胸に輝くプライドという名の  存在証明を潰しあうって事なのよ  だから勝ったら飛び上がるほど嬉しいし  負けたら死ぬほど悔しい」 というルナの語りは、対人ゲームにおける本質を見事に捉え言語化しているもので、序盤から「流石杉谷さんッ! そこにシビれる憧れるゥ!」という気持ちでテンションを高めて読み進めました。 そんな二人がメインにプレイしていく、タイトルそのままの作中作「クロスバーストハニーハニー」は、対人要素もあるMMOで、RPGをプレイして強敵を倒しレベルアップしながらレアアイテムを手に入れていく喜びが表現されています。 そして、仲間であるクナイや、立ちはだかる強豪である鐡のアスラ、福音のスイレンなど魅力的なキャラクターも目白押し。 作劇のツボをしっかり押さえていて、面白くないはずのない物語に仕上がっておりこれから先の展開も純粋に楽しみで仕方ありません。
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