「なくした自分は台所にあった…」東京で暮らすその人、その家族の、台所から見えてくる喪失と再生の物語。失ったものがない人なんていない。どんなに幸せに見える人でも…。 台所を通して住み手の半生をリアルに描く――。 同名の人気連載(取材・文 大平一枝/朝日新聞デジタル「&w」)と書籍「それでも食べて生きてゆく 東京の台所」(毎日新聞出版)をもとに紡ぐ、年代も性別も境遇もさまざまな人々の“台所オムニバスストーリー”。
「なくした自分は台所にあった…」喪失と再生の物語。失ったものがない人なんていない。どんなに幸せに見える人でも。台所を通して住み手の半生をリアルに綴る――。新聞社の広告局に勤める七種成は、読者の台所を取材する連載「東京の台所」の編集担当を任される。素人の地味な台所を取り上げたがる“お勝手ライター・キンコ”の連載に頭を抱えていた。そんなふたりが訪ねることになったのは、3週間前にがんで夫を亡くしたばかりの倉本宅。人の死に触れるという重そうなテーマに、七種は直前で取材の中止を打診する。しかし、いい記事が書けそうだとキンコが押し切り、不安を抱えたまま倉本宅へ向かうことに……。朝日新聞デジタルマガジン『&w』で連載中の同名の人気連載を元に、漫画のオリジナルキャラクターが新しい物語を紡ぐ。