スゴイ! ストーリーと絵の入り方、全てのバランスがスゴイ!
心のやわらかいところを容赦なく刺激してくる作品。でも嫌じゃない。とても爽やかな作品。 まず1ページ目でグッと心を掴まれる。 小学生らしいとは言えない暗いタッチの奇妙な絵。絵の説明の欄には小学生らしい夏休みの思い出が綴られている。 絵を見上げているのは、絵の作者ではない少年。 自分の手の届かない、理解の及ばないものと出会ってしまった衝撃がこの1ページから伝わってくる。 大人が思う以上に子どもはゲロみたいな世界をちゃんと見てるんだよな、とか わかってほしいとわかるわけないの境目を彷徨いながら大人になっていくんだよな、とか わかったようなことを言いたくなってしまうのは自分が摩耗してしまった証拠なんだと思う。 わかんないけどすげえとかびっくりしたとか悔しいとかちゃんと言える人間でありたい。
クソみたいな環境で少しも楽しいことがないまま生きてる子が最終的になんとか前を向ける程度の救いしかない話が最近多い気がする、宇宙人でもポテトでもなんでもいいから思いっきり救ってはくれないものか なんて思わず文句を言いたくなったけど、最後の最後に見える希望にちゃんと救われてしまうんですよね。 悪人が地獄に落ちるとか王子様が現れるとか莫大な遺産を相続するとかど派手なイベントだけが救いじゃないんですよね。 人は自分自身を救えるし、何気ない言葉で前を向ける。現実的で誠実な救いを描いた優しい作品だと思います。 しんどいお話ではあるけれど、素朴な絵柄とあみかちゃんのキャラクターがとても可愛らしいです。
スゴイ! ストーリーと絵の入り方、全てのバランスがスゴイ!