【イラスト付き】 大学生の市村玻璃は幼少期に両親を亡くして以来、ジュエリーデザイナーの叔母・真珠と暮らしながら父が専攻していた結晶学の研究をしている。そんな玻璃は触れた石の記憶や個性といったものが分かる、という能力があるが役に立つことは少なく、しいて言えば真珠の誕生日プレゼントを探している最中に、傷一つない不思議な水晶のネックレスを見つけたことだけ。人と関わることにトラウマのある玻璃は、真珠以外にその能力のことを打ち明けたことがなかった。しかしある日の研究中謎の事故に巻き込まれてしまい、異世界に転移した玻璃は金髪碧眼の美青年に介抱される。倒れていた自分を世話してくれた青年はスヴェンという名の、異世界の国・ルウミの王子であった。彼は玻璃の持つ水晶がこの国で生まれたもので、玻璃はその水晶によって呼ばれた特別な存在だという。言葉も通じない自分を助けてくれたスヴェンのため、玻璃は彼に力を貸すことになり…? 電子限定書き下ろしSSを収録!!
【イラスト付き】竜と人間が共存するユミルナ国で、エイノは竜騎士団長であるアレクシの屋敷で十八年間暮らしている。十八年前に起きた“神殿の悲劇”の日、神殿があったフレイ山に赤ん坊だったエイノが捨てられていたのを、そこに向かったアレクシが見つけて引き取ったのだ。それ以来、忙しいにも関わらずエイノのことをいつも気にかけて甘やかしてくれる彼のやさしさに、いつしか主人への尊敬以上の特別な想いを抱いてしまい、そのことに悩みながら毎日を過ごしていた。そんな中迎えたエイノの十八歳の誕生日に、突然高熱を出して倒れてしまい――!? 電子限定書き下ろしSSを収録!!