真面目なトシくんと陽気なゴンちゃん。 お菓子作りが趣味のトシくんが、体型を気にするゴンちゃんのためにヘルシーなスイーツを作って食べるお話。 自然体で仲良しな2人に癒されつつも、ゲイカップルならではの視点にいろいろ考えさせられます。 差別意識も偏見もないつもりでも、何気ない質問や会話に無意識の決めつけがあったりするんですね。 トシくんの同僚こずえさんのナチュラル失礼ムーブを見ていると、自分も気をつけないといけないなと思います。 美味しいお菓子とかわいい2人にほのぼのしながら、自分の意識を改めさせられる素敵な作品です。
南の島に移住してきた低迷気味な青年翻訳家。 爽やかさとほのぼの感の両方が漂う島の女子高生。 空から降ってきたらしい謎の金属片。 ちょっとSFが混じったメルヘンでドリーミイな物語が 始まるのかと思いきや、謎のカケラが色々なことを引き起し、 繋がり、広がって、やがて時空を超えた壮大な物語になっていく。 空から金属片が降ってくるという完全なSF設定でありながら、 SF設定を夢や愛や物語を成就させるためだけで使っていない。 小さな部品それぞれがちゃんと繋がることで 凄い働きをする機械が出来上がるように、 夢も希望も不満も事情も抱えたそれぞれの人たちの心が いくつも繋がって動いて大きなものになっていく。 その「ちゃんとした繋がり」にするためにSF設定が 使われてはいるが、決して安直に使われていない。 SFで繋げることで、湿っぽい繋がりにならずに済んでいるし、 パニック物な展開もありながら、最後までほのぼの感も崩れない。 夢物語と論理的物語をバランスよく組み合わせて 「マグネット島通信」という物語を構築するために SF要素が必然性を持って組み込まれている。 読後には滅多にないそして独特な満足感を味わいました。
この作品は、不動産屋を営んでいる山村俊光と、介護士をしている椿坂権太という4年間同棲しているカップルの日常を描く作品です。 きっちりした性格の俊光と おおらかだけど大雑把な権太の同居生活には、いろんなすれ違いやいざこざが生まれるのですが、そんな2人の間を繋いでくれるのが、俊光が趣味で作るスイーツを2人で食べる"おやつ時間"。 様々な出来事が起こる2人の日常を、毎話登場するスイーツと"おやつ時間"が優しく包み込んでくれている、そんなほのぼのとした作品です。 また、実は俊光は権太との同棲を職場では秘密にしていて、そんな彼とLGBTという言葉に変に興味を持っている従業員のこずえとのやりとりにはちょっとドキッとする瞬間も訪れる、そんな一面もある作品です。 1巻まで読了。
雨の日、強風の日、雪の日・・・。 お天気によって気分も変わるもの。 それぞれにジンクスがあったり、気持ちが落ち着かなかったり。 そんな、お天気と恋のお話がリンクして紡がれたオムニバス作品集。 ほのぼのしたお話が多くて、可愛らしい恋心がちらほら見えて、素直な自分に戻れる感じ。 『雪の日の最終回』が好き。 『土砂降りアイデンティティ』は自分に似ているなぁ。
『マグネット島通信』、『タネも仕掛けもないラブストーリー』の伊藤正臣さんによる、オムニバス形式の恋愛物語です。 思春期の少年少女たちに湧き起こる感情が、さまざまな気象の変化に擬えて描かれています。『天気の子』の番宣ではありませんが、天気ひとつで私たちの気持ちはいとも容易く変わってしまい、しかもそれは恋心と同じようにアンコントローラブルです。 『マグネット島通信』の時に絵の魅力が更に向上して、そこで描かれる島の空気感がとても心地良かったのですが、その描画力が今回は天気という不定形のものを描く際に万全に生かされていると感じます。 基本的に1話完結で、他のお話で登場したキャラクターが別のところでも登場し、全く別の側面を見せてくる構成により人間の多面性を巧みに表せています。ストレートに悪役として描かれる人物にも、もしかしたら裏では何かあるのかもしれないと思わされます。 個人的に特に好きなのは、「天気雨の定理」。中学時代に学年1位と2位だった男女が、高校でも周囲の雑音を遠ざけて勉強に集中したいがために、お互いに付き合っていることにするというお話です。 「梅雨明けモラトリアム」で、タイプではない男子に告白されて真剣に悩む話もリアルで味わい深かったです。
翻訳家の本山田が移住してきたのは自然豊かな離島・磁辺島。彼が島で出会ったもの、それは島に流れる緩やかな時間、心優しい島民とのふれあい、空から降る謎の金属片、そして道端に置かれたネコの像に消えるお供え物…アレ、なんか変だぞ!? そんな自然豊かな島でのスローライフとちょっとだけ不思議なSFとの組み合わせ。それらが島の人々の人間関係、そして翻訳家である本山田というピースと組み合わさることで1つの大きな物語を生み出していく。 それでも作品全体からはほのぼのとした雰囲気が滲み出ている。伊藤正臣さんの絵柄も相まって、しっかりSF要素がありながら穏やかな空気感が広がる不思議な作品。 ちなみに単行本は新潮社のバンチコミックスから出版されていますが、元々はジヘンというWEBマンガ誌で掲載されていた作品。島の名前もここから来てるのかなーとかいろいろ思いを巡らせながら読んでも楽しい作品。 全3巻読了
お願いだから3巻まとめて買って読んで欲しい! 離島漫画の最初ってちょっと負の感情から始まると思うんですよ。 辛いとかモヤモヤした心情から始まって、離島に行って何かが変わると予感させる。実際変わるんですよ! 読んでて島の海辺の描写に癒されるし、どこかにあるであろう知らない土地に思いを馳せることができる。 この漫画もすごいよかったです。心が晴れるみたい。 ほっこり離島田舎SF、、、とでも言いましょうか。ジャンルが難しい! 読了!最高にいい気分になりました。
いい離島ゆるSFマンガに出会いました。 主人公の男性はタイ語の翻訳者なんですが、契約を更新できず仕事もあまりないので叔父の入院中に空いてしまっている家を任されるついでにリフレッシュしに離島へ移住します。 そこで出会った少女は東京に憧れ、雑誌の真似をしたおしゃれをたしなむ子で、彼に興味津々。 この二人がちょうど対照的で関係性が面白いです。 お互いが大したことないと思っている身近だったものが相手にとっては価値のあるものということは日常生活を送っていてもよくありますよね。 まさにその感じです。 見る景色は全て美しく読むと穏やかな気分になれるその島の風景に混ざるのは、条件を満たすと動く不思議なパーツ。 「マグネット」と呼ばれるそのパーツがこの島にとって、彼らにとってどのような役割を担うのか、今後の展開が楽しみです。 マグネットを一つ一つ分析していく過程も知的好奇心をもぞもぞさせていい感じです。 単純に沈みゆく島だったり神話的な何かがワクワクしていいのでオススメです。
真面目なトシくんと陽気なゴンちゃん。 お菓子作りが趣味のトシくんが、体型を気にするゴンちゃんのためにヘルシーなスイーツを作って食べるお話。 自然体で仲良しな2人に癒されつつも、ゲイカップルならではの視点にいろいろ考えさせられます。 差別意識も偏見もないつもりでも、何気ない質問や会話に無意識の決めつけがあったりするんですね。 トシくんの同僚こずえさんのナチュラル失礼ムーブを見ていると、自分も気をつけないといけないなと思います。 美味しいお菓子とかわいい2人にほのぼのしながら、自分の意識を改めさせられる素敵な作品です。