心をみせない彼へ、いつのまにか抱いた恋心――■前の仕事をやめて穏やかな人生を送ろうと考えていたトウコ。だが彼女は、興味本位で申しこんだバイト先・お昼寝空間『プチシェスタ』というお店の、なぜか店長に抜擢されてしまった。トウコに店長の肩書きを与えたオーナーは、趣味であるスープ作りしかやらない。ただ黙々と絶品スープを作り続けるオーナーのために、しかたなくトウコが張り切り店をまわさねばならない状況となる。なぜオーナーはスープにこだわり作り続けるのか? そんな意地っ張りでつかみどころのないオーナーに振りまわされながらも、トウコはいつしか彼に恋心を抱いてしまっていて……。
彼女は「ひと目惚れしちゃった」と破顔した――■全身赤尽くしの女・キャットテールと、感情を表さない男・ヒトヨミが出会ったのは、12月に発生した台風の急速低気圧化事件の現場となる岬。違う組織に所属する二人は、それぞれの組織で本事件の担当だった。「ひと目惚れしちゃった」と言って、ヒトヨミに懐いて居候まで始めるキャットテール。彼女を疎ましく思いつつも放っておけないという自身の感情に困惑するヒトヨミ。お互いに相手の動向を探り合ううちに、過去最大級の台風が接近する……大人の香りが漂うサスペンス恋愛小説。
そのマカロンは、すごい力を秘めているんだ――■昔から遥を思い続けている可々雄は、洋菓子職人になるべく奮闘中。日々マカロンを作り続けている。目指す味は、遥の亡き父親カズさんのマカロン。そんなある日、ついに会心のマカロンが出来あがる。遥の母親からも認められ、祭で配る菓子として依頼を受けることになった。そしてその夜、夢で可々雄は神使たちから土下座されることになる――マカロンで異世界を救ってくれと。最強のアイテム・マカロンを手に、可々雄はねじれた異世界を修復しようと奔走するのだが、その行為はやがて遥を巻きこんで……!?