高校教師の辻村文則には、忘れられない生徒がいる。それは、十年前の卒業式で想いを告げてきた北見誠一だ。北見は優秀で周りからの信頼も厚い生徒だったが、当時の文則は彼の想いを受け入れることができなかった。それから十年。文則は北見と再会する。しかし、二十八歳になった北見に以前の穏和な面影はなく、殺伐とした冷めた眼差しで違法な仕事に手を染めていた。さらに「教師の義務で俺に関わるのはやめてくれ」と突き放されてしまい…? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
大手化粧品会社に勤める優貴は、目に見えない恋愛感情を一切信じていなかった。そんなある日、いつも無表情で感情の読めない後輩の刀根に告白される。その時は無下にあしらった優貴だが、後日仕事でミスを犯しあろうことか保身のために全責任を刀根になすりつけてしまった。刀根は弁解することなく、閑職に異動を命じられ、優貴の前から姿を消す。しかし一年後、専務の娘と見合いが決まった時、再び刀根が現れ「あの時のことを黙っていてほしければ俺に抱かれてください」と、脅迫ともいえる交換条件を突き付けてきて、優貴は嫌々ながらそれに従う。その後も毎週ごとに身体を要求される優貴は刀根への憤りを募らせていくが一方で、彼のいない夜にこれまで感じたことのない孤独を思い知るようになり…? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
出世頭で部下からの信頼も厚く、ストイックなイメージで女性社員からの人気も高い。そんな誰の目から見ても完璧な平岡悠の誰にも言えない秘密は、女性が好むスイーツが大好きなこと。しかし、クールなイメージを壊すことができず、日々甘いものを我慢していた。ある日、悠は美味しそうなデザートパンに惹かれて古びたパン屋に入店する。そこで出会った店主・石森弘毅は、年下とは思えない威圧感を与える態度と愛想のない接客で第一印象は最悪。さらに「あなたに売るパンはありません」と販売を拒まれて――? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
元刑事の上杉真琴は、探偵事務所で働きながらある事件を追っていた。三年前、国際刑事課にいた真琴の人生を大きく変えた忌まわしい事件を――。そんな時、イタリアで貿易会社を営む久納が依頼人として事務所を訪れる。依頼内容は「愛人として行動を共にしてくれる相手を探している」というもの。日本に滞在中、パーティーや食事会に同伴してくれる相手が欲しいと言うが、なぜかその愛人候補に真琴が選ばれ、さらに久納とのホテル暮らしを強要される・軟禁に近い条件と、久納の高圧的で傲慢な態度に一度は辞退した真琴だが、「情報が欲しければ私の元に来い」と三年前の事件をほのめかされて――?限定書き下ろしSSも収録! 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。