ヒトと獣人が共存する世界――しかし獣人には滅多に女性が生まれなかった。種の保存のため、獣人はヒトの娘と番い、子を為そうとするが、そこには様々な種族の壁が立ちはだかる――。獣人×花嫁カップルの愛のカタチを紡いだ、オムニバス・ラブロマンス!
「手ぇ離したら、お前逃げるだろ?」「当たり前じゃない!」――エルサは『呪符づくり』を趣味兼仕事として、とある事情により必要最低限の外出しかしない引きこもり令嬢。そんな彼女に密かに思いを寄せ、なにかと外へ連れ出そうとする幼馴染の騎士ルディ。ところが、エルサは……ルディの“体型”が苦手だった。苦手視されている自覚から思いを伝えられないルディだったが、ある日、細身の同僚騎士がエルサをデートに誘ったと聞き焦る……! しかしライバルには別の思惑があって……?
少ない魔力をやりくりして店を営む魔法使いのイヴリーンは、魔法省に勤める超エリートのヴァイゼルから、口づけを介して魔力をもらっている。ヴァイゼルの持つ魔力は濃厚で、質も量も大満足。二人はあくまで魔力譲渡のための関係だったが、ある日ヴァイゼルから口づけに代わる“効率的な方法”を提案されたことでさらに深い関係へ――「どうせ、まだ足りないのだろう?」比べ物にならないほど濃密な魔力に包まれ、ますます仕事に精を出すイヴリーン。一方ヴァイゼルは、関係が深くなるほどなぜか苛立ちを覚え、イヴリーンが危険な仕事を受けてきたことでついに我慢の限界になり――