内科医の夏生は、異動先の病院でキスを交わす男女を目撃する。冷たい目をした男は過去に自ら関係を断った恋人・真壁だった。別人のように変わってしまった彼に、自分にはショックを受ける資格はないと言い聞かせ仕事をこなす夏生は、誤診を発見したことで窮地に立たされる。救いの手が真壁だけと知り懇願する夏生に出された条件は、彼に抱かれること…どれだけ残酷で甘い愛撫に泣かされても、痛みを伴った別れの記憶が夏生を頑なにさせて―!?
輝かしい才能と容姿で異国で活躍していたヴァイオリニスト・匡は、深刻な悩みから楽器と離れるため帰国する。そこで匡が出会ったのは、俳優の青樹だった。青樹は匡を自分のファンと勘違いし、唆すように甘く囁いてきて!?慣れないくせに強がりの匡は青樹の欲望を煽り、快感に散々泣かされてしまう。己の失態に青ざめる匡だったが、青樹はまるで恋人同士のように触れてきて…。飄々としたいじめっこ×世間知らずな意地っ張りが紡ぐ、恋の旋律。
熱砂の国サマールの皇太子・ジャリールの妃として迎えられる七生の溜め息は重かった。両親の会社を救うために自分は周囲を欺き、偽りの婚礼を遂げねばならないのだ。王者の威厳を放ち、雄々しくも寛容さの滲むジャリールと対面して、彼の魅力を感じる程その心苦しさは増していく。しかし、婚礼の儀が終わり初夜を迎えると、ジャリールは人を屈服させることに慣れた傲慢な顔を曝す。弱みにつけ込む囁きと甘い毒の様な快感に支配され、七生は―。