何故、その少年の背中には羽が生えているのか…【羽】。風邪で寝込む私にアイスを食べさせてくれる小人。その正体は…【雪の夢】。故郷へ帰る電車の私の指定席に座っている青年。その体は透けていて…【彼女の席で】。幼い頃、夜の山で迷った自分を助けてくれたのは…【巡りあう迷子たち】。王女だった記憶。そして私の城に迷い込んできた少年との思い出。その数年後──【星の王女】。上着のポケットにいつの間にかメモが入っていた。「殺ス」って。が、すぐに気づいた。そもそもこの上着はオレのじゃない。…ということは──【ポケットから君へ】。ハートフルな読み味のファンタジー6作を収録。
勤め先の託児所でフェニアがひとり幼いルーシーのお迎えを待っていると、身なりのいいハンサムな男性が現れた。イェーガーと名乗る彼はその子のおじで、交通事故に遭った弟夫婦の代わりに姪を迎えに来たと言う。信用してもいいの…? 不安にかられたフェニアはルーシーとともにイェーガーのペントハウスに行くことに。ほどなくして彼の身元がわかり安心したものの、イェーガーは、弟夫婦が退院するまで住みこみでルーシーの面倒をみてくれないかと頼んできて…!?
時を超えるエトランゼ————…自然はいつも不思議を秘めている…(ミステリーボニータ2021年7月号)
少し風変わりな宝石店――。そこを営む、兄弟の世連(セレ)と与(アズ)のふたり。実は、人の内に持つ「石」を糧として生きる異星人(エイリアン)だった。愛する人と「石」を分かち合うため地球へとやってきたふたりは、その特殊な能力を生かし、さまざまな人たちを幸せへと導いていく……。さてさて、今日の石はどんな味? 心温まる不思議ちっくファンタジー。